京姫―みやこひめ―

羽結ことり

登場人物

京野舞きょうのまい

誕生日 7月11日  血液型 A型

主人公。市立桜花おうか中学校二年生。とある事件を受けて前世の姿である京姫に変身し、敵と戦うことになる。

茶色のショートヘアに翡翠色の瞳を持ち、小柄で華奢な体格。かわいらしい容姿と明るく優しい性格のために友人たちから愛されている。けなげな少女だが、末っ子のせいか少し甘えたところもあり、勉強は苦手。特技は小さいころから祖母の影響で習っている日本舞踊。また、歌をうたうことも得意である。

幼馴染の司にひそかに恋をしているが、想いを伝えきれないうちに思わぬ悲劇に襲われ……


京姫みやこひめ

舞が変身した姿でもあり、また前世の姿である。京姫とは京を守護する巫女の名前であり、代々霊力の高い乙女が受け継いできた。変身時には桜色を基調とした衣裳に変わり、また髪がショートヘアからウェーブのかかったロングヘアになる。「桜吹雪」や「桜人さくらひと」といった技を繰り出し、桜の花の力を用いて戦う。鎮魂と浄化の力を持ち、全ての不浄を清める。京を滅ぼした男・漆と因縁を持ち、現世でも戦い続ける。


結城司ゆうきつかさ

誕生日 6月11日 血液型 A型

舞の幼馴染。頭脳明晰、運動神経も抜群で、誰にでも思いやりの心が深い非の打ちどころのない優等生。舞に想いを寄せられており、司の方でも舞に対してなにかしらの想いを抱いていたようであったが、ある日突然下校途中に襲撃してきた怪物から舞を庇って命を落とす。その後、冷酷で孤独な転校生として舞の前に姿を現し、舞にも心ない態度で接するが……黒いつややかな髪に薄紫色の瞳を持つ美少年。趣味は読書。洋書をよく読んでいる。


【四神たち】

青木翼あおきつばさ

誕生日 5月7日 血液型 O型

舞のクラスメイト。四神の一人、青龍の生まれ変わり。

藍色の髪のツインテールに水色のリボンを結んでいる。瞳の色は青。学級委員を務める真面目で成績優秀な少女。警察一家のなかで育ったせいか、正義感も人一倍強く、気が強い。将来の夢はもちろん警察官であり、剣道を元刑事である祖父から習っている。幼馴染の東野恭弥に密かに想いを寄せているが、いわゆるツンデレでなかなか素直になれない一面も持つ。


青龍せいりゅう

翼の変身した姿。京の東を守る守護神であり、春を司り水を自在に操る能力を持つ。変身時の衣裳は水色を基調としており、羽織と袴姿である。水を用いる技「青海波せいがいは」などの他、日本刀・凍解いてどけを武器として戦う。前世では京姫と幼馴染だった様子だが……?


黒田奈々くろだなな

誕生日 12月30日 血液型 AB型

桜花中学三年生。四神の一人、玄武の生まれ変わり。

天然かつマイペースな性格で、人(主に翼)を振り回すことにかけては誰も及ばない。絵を描くことが好きで画家として活動を始めており、その腕を認められつつある他、アクセサリーのデザインなども得意とする。常に明るく振る舞うが、その非凡さゆえか友人には恵まれていない。黒い髪を少年のように短く切った、マホガニー色の瞳の細身の少女。母親違いの兄と血のつながっていない双子の妹たちと弟がいる。


玄武げんぶ

奈々の変身した姿。京の北を守る守護神であり、冬を司り草木を自在に操る能力を持つ。衣裳の色は黒。神渡かみわたしという名の弓矢を用いて戦うため、遠距離攻撃が得意。霊力で以って怪我を治癒することもできる。相棒は白い大蛇の木守こまもり。前世では雰囲気が違ったというのが舞のおぼろげな印象。


白崎しろさきルカ

誕生日 10月14日 血液型 A型

水仙女学院高等部二年生。四神の一人、白虎の生まれ変わり。

長い金色の波打つ髪とアイスグレーの瞳という中性的な美貌を持った、男装の麗人。高級ホテルを経営するShirosakiグループの令嬢であり、生徒会長も務めるなど優秀な生徒。チェロの優れた奏者でもある。男性的な口調で話し、落ち着いた雰囲気の少女だが、時に激昂する様子も見せる。玲子れいこと呼ぶ仮死状態の少女を自室に匿っており、彼女に強い愛情を抱いている様子。なぜか家族には「ルイ」と呼ばれている。その理由は……


白虎びゃっこ

ルカの変身した姿。京の西を守る守護神であり、秋を司り風と氷とを自在に操る能力を持つ。純白のマントを靡かせた袴姿で戦う。武器は桐一葉きりひとはという名の剣(サーベル)。風や氷の力と剣の技を組み合わせ、意のままに敵を薙ぐ。その技に「松風まつかぜ」や「野分のわき」など。


赤星玲子あかぼしれいこ

誕生日 8月20日 血液型B型

水仙女学院高等部二年生。四神の一人、朱雀の生まれ変わり。

舞と司が怪物に襲われた四月十二日から仮死状態にあり、ルカの元に匿われていた。二ヶ月の眠りを経て目覚めるが、立って歩くことができないために車椅子生活を送っている。理智の勝った少女で滅多に感情を露呈することがないが、京姫のことは深く案じている。紅の長い髪とうるわしい容貌とを持ち、眼鏡をかけている。桜花市長の一人娘で父親にだけは甘えた様子もみせる。いわゆるファザコン。


朱雀すざく

玲子は朱雀の生まれ変わりであり、四神としての覚醒も遂げているが変身できずにいる。武器には銃を用いる。


九条門松くじょうかどまつ

前世で京姫に仕えていた左大臣。すでにその肉体は滅び去っているが、舞の覚醒にともない、舞が子供のころから大事にしていたテディベアにその魂だけが乗り移った。京姫の霊力を借りる事で前世の姿に戻る事ができるが、その折には壮健で豪傑な老人の姿となり見事な刀さばきを見せる。口やかましいところがあり、心配性な一面も。


柏木武かしわぎたける

前世で京姫に仕えていた右大臣。現在は市長の秘書兼玲子のボディガードを務めている。背の高い、壮健な肉体をした四十代ごろの男性で常にオールバックに黒スーツ姿。玲子のことは「お嬢様」と呼んでいる。ルカとは前世で確執があったらしく、仲はよくない。寡黙でいかなる時も冷静沈着。どういう訳か銃を携帯しており、射撃の腕は高い。


【桜花中学校】

佐久間美佳さくまみか

舞の小学校時代からの親友。三つ編みに眼鏡という一見おとなしげな出で立ちながら、女子サッカー部のエースで大のサッカー狂い。さばさばした性格で言動がややませていることも。恋愛には興味がない(らしい)。


東野恭弥ひがしのきょうや

舞のクラスメート。男子サッカー部のキャプテン。翼とは幼馴染で家も隣同士。幼いころは泣き虫でよく翼に守ってもらっていたようだが、その俤はもはやみられない。口調はやや粗暴だが、明るく人懐っこい性格で女子にも人気がある。実家は「プロムナード」という地元で人気なケーキ屋。


菅野すがの先生

舞たちの所属する2年A組の担任。担当教科は国語。

頭は剥げていて眼鏡をかけた定年間近の先生。陽気な性格で、落語を披露するのが大好き。いい加減な先生とも言われるが、真面目な生徒思いの一面も見せる。趣味は小説を書くこと。舞に思わぬ助言を与えることも。



【水仙女学院】

京野きょうのゆかり

舞の実の姉。高校一年生。

性格は妹とは正反対で男まさり。お嬢様学校に通っているとは思えないほどさばさばした、歯に衣着せるということ知らない少女。成績に関してもまた妹とは反対で、全国模試ではいつも十位以内におさまるほどである。

妹からは恐れられており、時に喧嘩もするものの基本的に姉妹仲はよい。


北条院香苗ほうじょういんかなえ

高校一年生。ゆかりの親友。

ゆかりの親友とは思えないほど優雅な物腰の少女。薄色の髪を三つ編みにして一つに結っている。一人称は「わたくし」で、お嬢様言葉で話す。生徒会副会長を務めている。先輩であるルカに対して何かしらの思いを抱いている様子だが……


【家族】

京野美禰子きょうのみねこ

舞の母親。専業主婦。おっとりした性格だが怒ると怖いために家族内では一目置かれている。華道と日本舞踊とを嗜む。


京野宗助きょうのそうすけ

舞の父親。会社員。温厚で物静かな性格で、娘たちに関してはあまり干渉しない主義らしいが男女関係には厳しい。骨董趣味があり、芸術愛好家でもある。


結城未沙ゆうきみさ

司の母親。舞の母親とはお互い妊娠中に病院で出会った仲。女手ひとつで息子を育てているが、体が弱く度々通院をしている。息子思いのたおやかな婦人。


黒葛原君人つづらはらきみと

奈々の異母兄。スコットランドに留学をしている穏やかな青年。両親の離婚により離ればなれになってしまった妹を案じている。爬虫類が好きらしい。


白崎しろさきソフィア

ルカの母親。通称ソーニャ。大豪邸の女主人ではあるが、気取りのない天真爛漫な性格のロシア人女性。娘のことを溺愛し、心配し、そして信頼している。


ドミトリー・ドミトリエヴィチ・パブロフ

ルカの伯父。職業は医者。ソーニャの年の離れた兄にあたり、何らかの事情によって幼少期に国を離れ、その後両親に代わって妹を育て上げた苦労人。姪のルカにはミーチャおじさんと呼ばれており、頼りにされている。


赤星誠治あかぼしせいじ

玲子の父親。桜花市市長。元は国会議員で内閣入りも果たした経歴を持つ。妻とは離婚しており、今や一人娘を甘やかすことに余念がない。市民からの人気は高いらしい。


【敵】

うるし

前世で京姫と対峙し、京を滅ぼした男。

再び現世に蘇り、京姫への復讐を企むが、その真意は謎に包まれている。現在は先の戦いによって負った傷によりまだ力を回復しきれずにおり、刺客を舞に仕向ける。妖しい容貌を持つ。


芙蓉ふよう

漆のしもべ。漆に深く心酔しており、漆のためならばなにごとをも厭わない。

鞭と毒の香を用いて戦い、また、紫色の蝶に変化する力を持つ。十二単を身にまとい、淡い紫色の長い髪をした美しくも残忍な女性。前世で白虎に倒されたことから、京姫や四神たちのなかでもとりわけ白虎に激しい憎悪の念を抱く。


螺鈿らでん

芙蓉の手によって蘇った江戸時代の花魁。火事の際に吉原の遊郭を逃げ出し、水を求めて井戸に転落死してしまったという花魁井戸の伝説で知られる悲劇のヒロイン。しかし、その俤はもはやなく、性格も行動も憎悪によって歪められている。炎と巨大な蜘蛛とを操って舞たちを襲う。


篝火かがりび

螺鈿によって封印を解かれた狐のあやかし。狐の耳と尻尾を生やした銀髪の少年。見かけは七つほどで、言葉やしぐさなどはいかにも子供らしくふるまうものの、古い歴史を持った妖であるらしく、その表情にはどことなく侮れないものが浮かぶこともしばしば。芙蓉と契約を交わし、油揚げと「石」をもらう代わりに舞たちに襲い掛かるが……


【前世】

藤枝ふじがえ御方おんかた

前世における、舞の先代の京姫。舞の夢のなかに現れ、京姫として覚醒するように告げた。同時に舞の幸せを願っている。どことなく舞とおもざしが似ているが、関係は不明である。



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