深夜の散歩
深夜の公園を散歩していると、前から大きな犬を連れた髪の長い、ちょっと冷たそうな感じの、美しい女性が歩いて来た。犬好きの私は、女性に『少し撫でても良いですか?』と声をかけた。
すると女性は『まぁ、少しだけなら…』と素っ気ない返事をして、リードを引き犬を座らせてくれた。
私は女性に『この子、お名前なんて言うんですか?』と訪ねると、女性は『赤犬です…今から食べるので、あんまり撫で回さないでくれますか?』と冷たい笑顔でニヤっと微笑んだ…
私は驚き、その場にしゃがみ込んだ。
女性は、『あ〜ぁ、腹へった…』と呟くと犬のリードをグイっと引き嫌がる犬を連れて、闇の中に消えて行った…
私は恐ろしくなり、ブルッと身ぶるいをして、家路を急いだ。
しばらく歩くとまた、さっきの女性が今度は、ハゲあがった中年サラリーマンに犬を撫でられていた。
私は、女性が恐ろしく思えたので、植込みに身を潜め、女性と中年サラリーマンが立ち去るのを見はからって、帰る事にした。
すると、2人の会話が聞こえて来た…どうやら、
中年サラリーマンも、私と同じ質問を女性に投げかけているのが聞こえてきた……やはり女性は私に言ったように、【赤犬を今から食べるから……】のくだりを話し出すと、サラリーマンも、驚いたようすで、女性にこう言った。
『こ、この、い…犬を食べるんですかぁ?!ヤメた方がいいですよ犬なんて食べるの…………だいいち、お肉が臭いですよ!本当に美味しいお肉はね、あなたの様な女性の、太もものお肉なんですよ!』と、言ったかと思うと、カバンから素早く肉切り包丁を取り出し、女性の首をスパッとはね、慣れた手つきで、女性の骸から、太ももの肉を削ぎ落とし、カバンから取り出した、血まみれのタッパーに手際良く詰めて、持ち帰って行った………
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