真っ暗な夜
誕生日の帰り道、彼ににもらったプレゼントのシャンパンを小脇に抱え、私は、1人家路を歩く…
パーティーでかなり飲んだ私は、ほろ酔い気分を楽しみながら、この付近で誘拐事件発生と警察の警告文の書かれた、立看板の立っている、真っ暗な道に差し掛かった。
カツカツカツとテンポ良く歩く私のヒールの音以外に、コツコツ…コツと明らかに違う靴音がすぐ後ろから聞こえ、人の気配を感じた。振り向くと誰も居ない。
私は、恐ろしくなり早足で歩きだした。
カツカツカツカツ…コツコツコツ…コツコツコツ…足音が増えている!私は、シャンパンの瓶を握り、振り向くと、今度は、暗がりに明らかに数人の人影が隠れるのが見えた。
一瞬で血の気が引いた……『何で私が?』と涙ぐみ、走り出そうとしたその時、後ろから腕をグイッと引かれ、あまりの恐怖に『キャー!』と悲鳴をあげ、握り締めていたシャンパンボトルで、腕を掴んだヤツの頭の辺りを、振り向きざまに、力いっぱい、殴りつけた!グチャ!バタンッ!ボトルはクリーンヒットし、腕を掴んだヤツは地面に、頭から倒れ、ピクンピクンと痙攣をはじめた…
その瞬間、道の両脇から、パンッ!パン!パーン!と破裂音が鳴り響き、ピエロがの格好をした数人が飛び出し、車のライトが、私を照らし、プロポーズおめでとう!と書かれた横断幕が目に飛び込んできたそして、頭が潰れ、痙攣する彼と、放心状態の私に気づかぬ、ピエロに扮した友人達のフラッシュモブが始まった……………………
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます