第8話 俺に来る、再度の恐怖
それは偶然というべきなのか、突然に訪れた。
その日はなにもない普通の、変わらない日常だった。
無理矢理挙げるとするならば、カラスが多少煩かったぐらいで。
…先ほどの発言を訂正しておこう、変わらない日常であったであろう日だ。
❝ソレ❞を見つけた、いや、見つけてしまったのは、
俺が学校の宿題をしていた、学校帰りの時。
ふと、窓から外を見た。
その瞬間、俺は固まった。蝋人形だとか、大理石の彫刻のように。
また、あの時の恐怖が、絶望が、堰を切って溢れてきた。
ドロドロ、ドロドロと黒い液体に再び浸食されていった。
❝アレ❞が—————
—————バケモノが、俺の部屋の窓から見える、庭に、
庭の、大きい樹木に座っていた。
姿を隠そうとしてか、かなり高い位置で座っていた。
あの日、あの時俺に近づいてきたバケモノが—————
俺 の 方 を 見 て い る 。
「……ッ!」
俺は急いでカーテンを閉めた。
心臓が激しく鼓動している、バクバクと今にも破裂しそうな勢いで、だ。
過呼吸のような状態になりながら、壁に沿ってズルズルと崩れ落ちた。
——————俺は、死ぬのだろうか。
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