俺は出会った、初めての妖と

第4話 俺は遊んでいた、昔の山で

あれは多分、小学5,6年生くらいの事だったと思う。

正直記憶が歳を重ねるたびに曖昧になってきている。

(そんなんだから爺クサイとか言われるんだよなぁ)




実家の近くに街近くにしてはちょっと大きめの裏山があって、

そこの頂上付近で俺は遊んでいた。

何故かは知らないが、一人だけだったように思う。




その裏山はこれも分からんが1本だけ杉の木がはえていて、他は檜だった。

当時は神とか妖が降りる杉とか言われていた。

その杉の木の下で、俺は一人遊んでいた。




おそらく、ボール遊びかなんかだとは思う。

(もしそれで杉を使って壁あてとかしてたなら失礼極まりないな)

それで昼ぐらいから、夕焼けで辺りがオレンジ色に染まってきた頃まで

遊んでいた気がする。




それで、帰ろうかなーとかぼんやりしてた時に音が聞こえた。

バサッバサッってカラスとかが降りてくる時の音が。

俺は、その時はカラスが来たのか?と思って辺りを見回した。




丁度、俺が上を向いて。

日差しを遮りながら杉を見たとき——————




—————ソレバケモノは、来たのだった。

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