第5話 災厄の日!!??

俺の朝はいつも早い。理由は父親の弁当と妹たちの朝御飯を作るためである。


「おーい!そろそろ起きないとまずいじゃないか親父!」


俺は二階にいる父親に一声かけた。


二階では何が飛び起きたような物音がした。


「おい!弁当は出来てる?」


二階からドタドタと降りてきた親父が寝癖を立てたまま急いでるように聞いてくる。


「出来てるよ!だから寝癖ぐらい直してこいよ。」


俺が呆れているとまた二階で物音がした。


「「お兄ちゃん!おはよう。」」


双子の妹達が起きてきた。


「おう。おはよう!世界で一番かわいい俺の妹たちよ!」


「朝からテンション高いな~お兄ちゃんは……。」


「ふっふっ!当たり前の事言わないでよ。お兄ちゃん!」


双子の姉の方は呆れたような顔をした。妹の方は自慢げに微笑んだ。


「お前たちも顔洗ったこい。朝飯できてるから。」


「「はーい!」」


二人がリビングから出ていった後に洗面所の方から「我が愛しの娘たちよ!」と、言う声が聞こえた。


相変わらず親バカだな。家の父親は。


その後は普通に朝飯を食べて父親を会社に送り出した。


「お兄ちゃん何か悩み事とかない?」


姉の方が俺に話し掛けてきた。


「ある!めっちゃある!」


「言ってミソ!」


妹の方は「しょうがないから聞いて挙げるよ」見たいな雰囲気を醸し出している。


「それがな………。最近出来た隣のあのアパートのせいでベランダ以外日差しが家に入らなくてな!困ってるんだよ!」


「そんな事知らないよ。お兄ちゃん……」


いや?大切だよ!日光!


「そうじゃなくて学校の事でだよ。お兄ちゃんは人と関わるのが得意じゃないからな。心配だよ。」


「本当、本当心配してるんだよ!」


おお!妹達が俺を心配してる!


「安心しろ!お兄ちゃんは妹達が入ればいい!」


ふっ!俺かっこいい!


「「さすがにキモい!」」


グハ!お兄ちゃんのライフがゼロになっちゃうよ!


「お母さんから頼まれてるんだから。」


「そうだよ!お母さんから頼まれてるんだから!」


母親か……。


俺達の母親は今から丁度四年前ぐらい前にも病死した。


母親が死んだ直後は父親は仕事にのめり込んで、妹達はずっと泣いていた。


俺は?そんな暇あるわけない。家事は俺がやる他ないのだから。


周りは俺達家族に同情した。


「まだ若いのに可哀想に。」だとか「子供がまだ成長しきってないのに」とかそんな事ばかり言っていた。


しかし周りは悲しむだけで何一つしちゃくれない。


その時の俺は「そんな同情俺に押し付けるな」見たいなことを思っていた。


「お兄ちゃん?お兄ちゃん!聞いてる!」


「あ、ああ、聞いてるよ。」


妹達はため息をついた。


「お兄ちゃんは時々ボーッとしてるから心配だよ。」


「悪かったて、そろそろ家を出ないとまずくないか?」


「あ!本当だ!じゃあ行こっかお兄ちゃん!」


俺と妹達は急いで用意をはじめて家を出た。


「鍵良しっと!じゃあ行くか。」


「うん!行こう!」


妹達が玄関を飛び出した。


「おい!危ないぞ!」


「大丈夫だって!きゃ!」


「うわ!」


妹達が誰かとぶつかったようだ。


「だ、大丈夫か?すいません!家の妹達が!」


「いえいえ!こちらこそよそ見…し、ていたもので?」


なぜに疑問文?


「あ、あれ?伏見くん?」


「あ?何で俺のな…ま、えを?て、何でお前が!」


そこにいたのは清水榛名だった。


「え、だって私この隣のアパートに一人で住んでいるから。」


「え?お兄ちゃんが知り合い?」


待て妹達よ。その言い方だとお兄ちゃんに知り合いいたのにしか聞こえないんだが?


「あ、さっきはごめんなさい。飛び出して。」


「あ、此方こそごめんね!」


しかし清水と会うとは。


「あのさ。学校の事なんだけど。」


「気にしてねーよ。」


気まずい雰囲気が流れた。


「そろそろ行かないとマズいんだけどお兄ちゃん。」


姉の方が不機嫌そうに言ってきた。


「あ、本当だ!じゃあお兄ちゃん行ってくるね!」


俺は妹たちを見えなくなるまで待ってた。


「よし俺もいくか。」


「ちょっと私を無視らないでくれるかな!」


「何だよ。お前まだいたのか?」


こいつとは関わりたくないのに。


「学校の事なんだけどさ。」


俺の事は無視していいのかよ!?


「あの後私に話しかけてくる人がいなくなって晴れてこれでボッチに慣れたけど。」


「そりゃ良かったな。」


「でも、ごめんね。貴方まで巻き込んで。」


「いいよ、別に気にしてないから。」


それに俺はリヤ充たちのあの顔を見れたしな。


「そう!じゃあもう気にしないね!」


「おい!少しは気にしろよ!」


「え~!だってもう気にしなくていいて言ったじゃない。だからもう気にしない。」


はぁ~。ま、良いけどさ。下手に気にされても困るから。


「それじゃ、私達も行こっか学校に!」


ま、でも、こういうのも悪くないかもな。


「やだよ、勘違いされたら困るからな!」


「はぁ?何言ってんの?キモチ悪い。」


そんなマジトーンで言わなくても。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る