第2話 俺を巻き込むやつら全員リヤ充……(ハゼロ)

 屋上から出た後に教室へ向かった。


 しかし、まさか俺がオタクと言う認識をされていたとは……少し嬉しいかもしれない!


 この前あの女子生徒に言われたことがある。


「え!?だ、誰?何で私の隣にいるの!?キモいんだけど!」


 はい!貴方の隣の席の人ですが何か?しかもキモいって……。


 そんな事を考えているといつの間にか教室についていた。


 教室では、既にホームルームが終わっていて先生が仁王立ちで待っていた。


「は、は!何が言いたいかワカルヨナ?」


「先生!その構えている拳をおさめてください!」


 問答無用と、言うかのように拳を振りかざし腹を抉るようなボディーブローを喰らわせてきた。


「ぐはっ!こ、こんなの体罰だ!」


「ふっ!君に何ができる?もしも何かをしようとしたのならワカルナ?」


 これは職権乱用だ!?


「能ある鷹は爪を隠すのでは?貴方は能が無いんですか!?」


「はっ!笑わせるな!そんなの力なき者たちがでっち上げたウソっぱちだ!力は、権力は行使してこその権力何だよ!」


 この人は何をいってるんだ!?


「ふん!まぁいい。放課後に職員室にこい。みっちりその根性を更生してやる!」


 先生が去ったあと俺は席に戻った。


 その後は何もなく不毛な一日を過ごした事になるはずだったのだが。


「伏見くん一緒にお昼ご飯食べない?」


 そこに立っていた女子生徒は清水榛名だった。


「な、何でお前が!?」


 周りはざわめき俺は驚いていた。


「あら?朝に約束したじゃない?もう忘れたの?」


 あ、あ~そう言うことか。


 こいつ、俺を巻き込むつもりだな。


「ちょ、待った待った!?何でこんな奴と榛名が一緒にお昼を食べるのさ?」


 クラスのボス猿こと、山寺有子が話に割って入ってきた。


「何でそいつと?脅されてるんでしょ!?あんた榛名に何したのよ!」


 俺のせいですか…そうですか。


 俺はアイコンタクトで清水に「ほんとにいいんだな」見たいな感じで聞いた。


「ちょっと聞いてるの!?」


 清水はその意図に気づいたのか、頷いた。


 はぁ~また俺は嫌われなくちゃいけないのか。


「まじで聞いてんの!あんたに言ってるんだよ!」


「はぁ~?あんたって誰ですか?」


「は?そんなことも分かんないの?は!バカじゃないのあんた?」


 うっ!やっぱり女子と言う生き物は恐いな。


「なぁ~聞いてもいいか?お前は何でこいつが俺と話すことに対して怒ってんの?」


「そんなの決まってるでしょ!友達がこんなキモい奴に脅されてるんだよ?助けるのは当たり前じゃん。」


 清水は苦笑いでこちらを見ている。


「友達?助ける?お前は何をいってるんだ?」


「だからお前が脅してるんだろ!」


 横から男たちが俺に詰め寄り制服の襟を掴んだ。


「それはお前たちの勝手な思い違いだろ?いつお前たちにこいつが友達(笑)何て言った?」


「そんなの決まってんじゃん!いつも一緒に入ればそれは友達でしょ?」


 え!?そうなの?一緒に入ればそれは友達なの?俺はてっきり知り合いだと思ってた!?


「違うな。そもそもお前もこいつの事を友達とは思ってないんじゃないのか?」


「は!?どういう意味だし!」


「だから、お前にとって清水は道具何じゃないのか?」


 山寺はだんだん顔が赤くなっていた。


「ふざけんな!お前に何がわかる!」


「わかるさ、だってお前そこらにいるイケメン(笑)と清水が話してるときにいつも割り込んでたよな?」


 今度は山寺の顔色が悪くなっていた。


「なんの事か分からないんだけど!勝手な事言わないでよ!」


 クラス中がまたざわめき始めた。


 掛かった、ここからだ。お前たちリヤ充が地の底に落っこちる様が目に見えるようだ!


「困るよな?清水がいなくなったらそこら辺のリヤ充とも疎遠になる。だから必死なんだろ?」


 山寺が涙目になってるのがわかった。


「は!笑えるよな?さっきまで友達を助ける?友達のため?そんな事を言っていた奴が実は自分のエゴのために友達と思ってるやつを道具として使ってるんだからな!」


 その時山寺は泣き出し周りからは非難の声が挙がった。


「サイテー!」


「何だよあいつ。少し清水さんが話しかけただけで調子乗りやがって。」


「山寺、大丈夫か?あんな奴が言ったことは気にするな。」


 さて、これからどうするかな。


 横目で清水を見た。


 さすがの清水もここまでは予想してなかったのか顔がひきつっていた。


 ま。ここは逃げる以外の選択肢はないよな。


 俺は立ち上がり教室を後にした。

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