第2話宇宙忍者は集団ストーカーの夢を見るのか


 深爪憲法第144条の違反により、私の医療免許が剥奪されてしまった。

 

 このままでは念願の“8000円(税別)切手購入計画”が気泡に帰してしまう。

 

 それだけはダメだと、チューイングガムのCMにボランティアとして出演することにした。

 

 カメラの前でひたすらにガムを噛み続ければ、いつか切手を買うことが出来る。

 

 ひと噛みするごとに夢の実現に近づく。そう思うと、三日間用水路に放置した中古マンガ味のガムも、不思議と400mリレー第3走者のすね毛味に感じられた。

 

 撮影したCMが銀河規模で放送され始めた頃、遂に念願の9560000円切手(税込)を820回ローンと自分の肺四つを担保に購入することが出来た。

 

 あまりの喜びに歓喜の舞を自宅で舞っていると、男が何かを抱えて乱入してきた。見ると、頭に弓が刺さった死体である。

 

 話を聞くと、戦場で死亡したらしい。しかし、彼の爪は深爪だった。私の身分では彼に触れることが出来ない。

 

 仕方なく、購入したばかりの864円切手(pjw進歩)を使い、彼を治療できる人物の元に送り付けることにした。

 

 人助けに使ったのだ。並の切手では一生経験できないことだろう。

 その切手の味は不思議とCMのガムに似ていた。

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

足軽に転生したらワッショイが“確定異常状態”のチート技になって奴隷ハーレムがつくれたぜやったぜ 教信者 @dgbr217atos29217

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ