第2話 初めてのテイム…テイム?

 女神様から『獣使い』になれると教えて貰った僕は、数年後仲良しなマリちゃんと一緒に村の中で遊んでいた。


「ねぇねぇ、エリ君。

 エリ君って、昨日教会に行って女神様に会いにいってたんだよね?」


 今僕たちは、村の市場を手を繋いで一緒に歩いている。


「うん、そうだよ?

 マリちゃんも一昨日会ってきたんだよね?」


「うん!

 でね、エリ君は何になれるって言われたの?」


「んー?

僕は『テイマー』になれるって言われた」


 あの日、女神様に言われた事をそのままマリちゃんに伝えた。

 …後で知った事だけど、『獣使い』の事を『テイマ―』と呼ぶらしい。お母さんが言ってた。


「そっかー、エリ君は『テイマ―』になるんだ。

 私はねー、『アーチャー』?っていうのになるらしいよ?」


「そっかー、『アーチャー』になるんだ。

 じゃあマリちゃんも『冒険者』になるんだね!」


「うん、そうだよー。

 …あ、エリ君、一緒にお菓子食べよ?」


「うん、良いよ―」


 そう言って、マリちゃんは僕の手を引っ張ってそのままお菓子屋さんへと入っていった。


………


……



「エリ君、これ美味しいね―」


「そうだね、マリちゃん」


 僕たちは今、マガッシュという何かは知らないけど、とにかく甘くてフワフワなお菓子を一緒に店の前で食べている所だ。


「あらあら、2人とも、何時も食べに来てくれてありがとうね」


 店の中からお菓子屋のおばちゃんが出てきて僕たちに話しかけてきた。


「ううん、おばちゃんのマガッシュは凄く美味しいから何時も食べに来ちゃうよ」


「あらあら、嬉しいわぁ。

 そういう事ならおばちゃん頑張っちゃうから」


「モンスターが出たぞー!」


 村の入り口付近から男の人が叫んでる声が聞こえた。

 …マズイ、僕たちじゃあモンスターに太刀打ち出来ない。


「アンタ達、村の教会におばちゃんと一緒に逃げるよ!」


「でも、お母さんは!?」


「ミリーならきっともう教会に逃げ込んでるはずだよ!

 マリちゃんとこのマーガレットもね!」


 そういう事ならここにいる必要は無いなと思った僕はマリちゃんの手を握っておばちゃんと一緒に教会へと逃げたのだった。


………


……



 教会へと逃げ込むと、村の女性や子供達、教会を守っている男の人が数人程いた。

 …外の様子が気になるけど、こういうとき外に出ちゃダメってお母さんから凄く言われてた。でもやっぱり気になる。

 …でもガマン。


「エリ君、何だか…凄く静かだね?」


「うん…そうだね、マリちゃん」


「アンタ達、静かにしな。

 モンスターに聞こえちまうよ。」


 僕、マリちゃん、おばちゃんの3人でヒソヒソ声で話している僕たち。幸いにも近くに僕とマリちゃんのお母さんを近くに確認出来たので良かった。

 きっとお父さんはモンスターを退治しにいっているのだろう、少なくともこの場にはいなかった。


「マズイ!

 モンスターが教会の方へ行ったぞ!」


 そして、教会の扉が乱暴に開かれたと思うと、教会の中に1匹のオオカミが入って来た。

 が、普通のオオカミと違いかなり大きい。2メートル位はあるだろうか。


「アレ、こっち…見てる?」


 どうやら狙いは僕のようだ。

 オオカミが僕に狙いを付けると、男達の攻撃をかいくぐり、そして…僕の顔を舐めた。


………


……



「なぁんだ、モンスターってポチの事だったのかぁ」


 僕は今足の上にポチの頭を乗せている。

 当のポチはと言うと、仰向けになって僕に撫でられるがままになっている。


「エリ君、マリちゃん、ごめんなさいね。

 ミリーがどうしてもエリ君にテイムさせたいって言うもんだから…ね?」


 どうやら村ぐるみでの壮大な演技のようだった。

 …まぁポチは、僕が生まれた頃から一緒にいたらしいし?初めは僕より小さかったけど、今では僕より大きいのは何かシャクだけど?


「むぅ…そういう事ならそうと言ってくれれば良かったのに…」


「ごめんね、エリオット。

 お母さん、ポチがエリオットに凄く懐いているから、どうしてもエリオットにテイムさせたくて…」


 そういう事なら仕方が無い…のかなぁ?


「どお、ポチ?

 僕にテイムされてみる?」


「バウ!」


 ポチは「喜んで!」と、言いたげな感じで一吠えすると僕の顔に自分の顔を擦りつけてきた。


………


……



 あの後、家に帰った僕たちはポチをテイムするべく早速準備に取り掛かった。

 …とは言っても、何も準備するものは無い訳だけど。


「それじゃあポチ?

『僕と一緒に来てくれるかい?』」


 テイムするのに必要なのは、テイムする側の確認。たったそれだけで良いらしい。


「バウバウ!」


 ポチが肯定の意を示すと、突然ポチの体が光り出し、


「何じゃこりゃあ?」


 僕の目の前に半透明の板が現れた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 はい、雨宿 宵一です。


 毎日投稿2日目ということで、本日も微妙に短編ではありますが、ここまで呼んで下さって有難う御座います!

 次回の予定ですが、23時頃に続きをあげる事が出来ますので宜しくお願います!


 それでは、次回もお楽しみに!!ノシ

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