第12首 アフリカオオコノハズク(コノハ博士)
あまきに
【現代語訳】
この物知りなフレンズは、難しげな課題を出し、老成したような素振りをしながら、
好き勝手な要求をして食事にありつく。
でもカレーを食べて満足したら、図書館の本から得た知識を披露してくれるだろう。
【解説】
「博士(はかせ)」は学者、物知りな人。
「公案(こうあ)」は禅宗で師が弟子を悟りに導くために出す課題。いわゆる禅問答。また、考えを巡らせ、工夫を凝らすこと。一般的には「こうあん」という。ここでは「ん」が脱落している。
「ふり」は掛詞で
①動詞「触る」:告げ知らせる
②動詞「旧る」:老いる、年を経る
③名詞「振り」:振る舞い、そぶり、様子。
このうち①は公案から繋がり、②は③へ、③は顏へ繋がる(ここでは「振り」と「顔」は同義反復である)。
「好む(このむ)」は、好きなようにあれこれ注文する。
「は」は係助詞で強調を表す。
「食く(すく)」は食べる、飲む。
「好は食く」は「好み食く」が「は」の挿入、「み」の音便化、脱落により、
「好み食く」→「好みは食く」→「好んは食く」→「好は食く」と変化したもの。
「辛し(からし)」は辛い、塩辛い。
「甘んず(あまんず)」は満足する。
「あまき」は「天樹」と「案巻」の掛詞(いずれも造語)。
「天樹」は空高く伸びる木、そして天啓の木、つまり図書館を表す。
「案巻」は案(考え、思案)の巻(巻物、書物)、つまり知識を集積した本を表す。
「借る(かる)」は借りる、借用する。
「んず」は推量の助動詞。
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