第11首 ミナミコアリクイ

よし

こはひたり

てど

沃懸いかくるもりも

たのもしげ



【現代語訳】

見慣れない子が来たので

頑なな信念で食ってかかり、立ちはだかったけれど

浴びせる言葉も姿、仕草も

何とも頼りない感じである


【解説】

「好み(よしみ)」は親しい関係、親交、ゆかり

「無み(なみ)」の「み」は接尾語。形容詞の語幹に付いて「……なので」という意味を作る。

「強(こは)」は接頭語で、硬い、こわい、きびしい。

「理(り)」は信念や理性。

「食ふ(くふ)」は噛む、噛み付く(ここでは歯向かうことを指す)

「たり」は完了の助動詞「たり」連用形

「押し立つ(おしたつ)」は立ちはだかる、強引に振る舞う、我を張る。

「ど」は逆接の確定条件を表す接続助詞。

「沃懸く(いかく)」は動詞で、注ぎかける、浴びせる。

「……も……も」は列挙・並列の係助詞(現代と同じ用法)

「振り(ふり)」は身振り、素振り、姿、格好、様子、仕草などの意。

「頼もしげ無し(たのもしげなし)」は頼りない。

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