第3首 トキ

うたてしと

うたこりし

うたなれど

すすりしゆり

うたがたもなし


【現代語訳】

かつては耳障りだとブーイングが起きたこともある歌だけど

アルパカさんの紅茶を飲んでからは、そんな声はとんとなくなった


【解説】

「うたてし」は嫌だ、がっかりする、気の毒だの意。

「訴へ(うたへ)」は不平や不満を訴えること。

「起こりし」の「し」は過去の助動詞「き」の連体形。「すすりし」の「し」も同様。

「なれど」は〜だけれど。助動詞「なり」の已然形に逆接の接続助詞「ど」がついたもの。「なり」には断定、推定、伝聞などの意味があるが、これは体言に付いているので断定。

「すする」は飲む、すする。

「後(ゆり)」は〜から、〜以来の意味。

「うたがたも」は後に打消しや反語表現を伴って、決して(〜ない)、少しも(〜ない)。

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