第4首 サバンナシマウマ

目蔭まかげすと

むな

ふまじきかげ

はなめく時節じせつ

しま熟寝うまい


【現代語訳】

手をかざして眺めたとしても、どうもよく分からない、動き回ることもなさそうなその姿

いつか活躍できるチャンスを夢見て、しばらくの間ぐっすりと眠っているのだ


【解説】

「目蔭(まかげ)」は遠くのものを眺めようと目の上に手をかざすこと。

「と」は逆接の仮定条件。動詞の終止形、形容詞の連用形に付く。一般的には意味、用法のほぼ同じ「とも」が用いられ、「と」は稀。「すと」で「〜したとしても」。

「然ば(さば)」は「それでは」の意。ここでは語調を整えるだけの感動詞のようなもの。

「空し(むなし)」は空っぽ、嘘、無駄、儚いなどの意。

「舞ふ(まふ)」は動き回る、舞う。

「まじき」は否定的な推量、打消し意志、禁止の助動詞「まじ」の連体形。

「影(かげ)」は姿、形。

「花めく」は華やかになる。華やぐ。

「時節」は季節、好機、時代。

「暫し(しまし)」はしばらく。

「間(ま)」は〜のうち、〜のあいだ(連続した時間を表す)。

「熟寝(うまい)」は熟睡すること。

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