第4話どうして・・・?

前回までのあらすじ︰僕は絵がうまい((ドヤァ


今日も彼女は学級日誌を書いていた。

それはただの日記にも見える。

でも本人が学級日誌だと言い張るから、学級日誌なのだろう。たぶん。

「見ないでもらえるとありがたいです」

祐鶴ちゃんにはっきりそう言われちゃったから、無理に見たりしないけど、やっぱり気になるなぁ。


朝の会で、驚くべきことが起きた。

健康観察で、僕の名前が飛ばされたのだ。

先生は、飛ばしたことにも気づかず、そのまま健康観察を続けた。

「(なんで・・・?僕は、ここにいるのに)」

朝の会が終わったあと、僕は先生のところに行った。

「先生?」

先生はまるで僕が見えていないかのように振舞っていた。僕以外の子には気づいて話しているのに、僕だけ気づかれない。

無視、されてるのか・・・?

「(いやいや、そんなことあるわけない)」

自分に言い聞かせる。

とりあえず、このことは考えないようにした。

考えると、おかしくなりそうだった。


奇妙なことは、ほかにもあった。

「部活丸わかりガイド」の表紙の絵が、僕が描いたものではなかったのだ。それと、僕が書いた文章のところも。

沸き上がるいろんな感情を押さえつけて、僕は授業や絵描くことに没頭した。絵がうまいことがばれるのはもうどうでもよくなった。

放課後は、部活動終了時刻の少し前まで祐鶴ちゃんと話して、巧や朔と遭遇しないように急いで帰った。


そんなことを続けて過ごして5月に入った。

僕は、来たる修学旅行のための、しおりの表紙を描いていた。

今日も、健康観察では名前を飛ばされた。

「えーと、001でよろしくな、保健委員」

先生が言う。

「(え?001?)」

名前が飛ばされはじめてからずっと、この数字は一体いくつなんだろうかと考えていた。それが、ようやく今日わかり、001だった。

クラスは今日は全部席が埋まっている。

じゃあ、1(出席停止)は一体誰だ?


(つづく・・・)

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