甲虫目コガネムシ科「コガネムシ(緑)」
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「――隊長!
「大丈夫だ、グリーン。なんとか
「無茶しないで下さいよ、隊長。見ていたコッチはヒヤヒヤもんっすよ。本当に」
すぐ下には鞄を胸に抱えてビクビクと辺りを気にしている人間がいたが、どうやら自分たち「コガネムシ」の存在に恐れ慄いている様子だった。
その傍にはこの空間の騒ぎの元凶であり、自分たちが逃げ出すキッカケともなってくれた一人の人間。既に起き上がる態勢にはなっていたが、何故かなかなか腰を上げない。「ミテンジャネエヨ。チカヅクンジャネエヨ」と周りを恫喝している。
グリーンは首を巡らして
箱型の空間の後方(人間の向きから推測しての後方)にある、外と通じているガラス窓が少しだけ開いている。あそこからなら出られそうだ、と、グリーンは一息ついた。
隊長よりも先に脱出するのは忍びないが致し方ない。まずは外にある本部に状況を説明する事が先決だと頭を納得させる。本部に助力を請えば、まだ捕虜の身となっている
グリーンの体が滑った。アッと気がついた時には既にグリーンの体は蛍光灯から離れ、下に真っ逆さまに落ちていた。脚を力ませたのはいいが、その脚が一本
グリーンの体は為す術もないまま、下にいた人間が胸に抱いていた、鞄の上に落ちた。
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