疲労と憔悴、鬱、そして空腹
飛騨群青
2017.06.25
目が覚めると雨が降っていた。雨が降った日は何もする気になれない。何も聞きたくないし、見たくもない。これからどうするかなんて、考えたくもない。そのまま数時間、横になったまま待機する。
電子書籍の本を見ようとしたが、昨日、kindleが壊れたことに気付く。退屈さに耐えきれず、iPhoneでツイッターを見る。通知が2、3件ある。昨日見た映画についてツイートする。適当にいいねを押す。
シャワーを浴びる。歯を磨く。そこまではできたが、早くも体が動かなくなる。とにかく気分が悪い。とてもだるい。やる気がない。
何か食った方が良いと思い、8枚切りの食パンを2枚そのままかじる。レタスを1玉、塩を振って食ってしまう。薄いコーヒーを飲む。全く美味くない。ただし満腹感はあり、どうでもよくなる。
雨はまだ止んでくれない。
雨が止んだ。途端に外へ出たくなる。ジムへ行って、少しだけ筋トレをする。それから有酸素運動がしたくなり、ルームランナーで60分歩いてみる。刺激がないのでつまらない。傾斜をつけてみると心拍数が上がり、血のめぐりが急によくなるのを感じる。全身が、特に頭のあたりが熱くなるのを感じる。頭の血管が膨張している気がする。歩けば歩くほど疲労が心地よくなり、次第に不快になる。60分が過ぎる。
シャワーを浴びて帰ることにする。
雨がまた降りだしている。傘は嫌いなので、カッパを着込んで帰る。ひどく蒸し熱い。帰路の途中で雨がやみ、腹を立てながらカッパを脱ぐ。別に食いたくもないのだが、肉豆腐を作ろうと急に思い立ち、ひき肉を買う。豆腐は家にあるのでいらないだろう。
家に着く。もう夕方だ。ニュースサイトで今日の出来事を調べてみる。宝塚記念でキタサンブラックが負けている。ああ、買わなくてよかったと安堵する。そもそも、今日が宝塚記念だと忘れていたが。
政治はまぁ、いつも通りだ。
食欲が全くないのに腹が減る。ひき肉と豆腐とカット野菜を煮込んでみる。鍋に水を入れ過ぎた気がするが、忘れることにする。やはり、食う気がまったく出て来ないので、弱火にして、なるべく出来上がるのが後になるようにする。
飯を食う。不味い。ただし満腹感はあり、どうでもよくなる。朝と同じ展開。酷い既視感。
退屈さに脳が疲れている。
小説を書く。疲労感がひどいので今日は1000文字ぐらいしか書けそうにない。色々と書きたいものは思い浮かぶのだが、僕の推進剤が足りないせいで書けない。ものを書く技術の方が上達しないのは、どうでもいい。だが、自分の精神力不足に深く失望する。だから、このような文章を書く。
薬を飲んだ。ひどく眠くなる。外を見ると、もう暗い。今日が終わるのだと思うと鬱だ。時間を無駄にしているような気がする。
もうすこしだけ、マトモな人間になれという声が聞こえる。いつものように無視する。
これが人生だろうか。眠れば忘れるのだろうか。この憂鬱も、諦念も。
疲労と憔悴、鬱、そして空腹 飛騨群青 @Uzumaki_Panda
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