第19話 竜音推理シリーズ第一弾(全7話)『竜音、事件に関心を持つ』
ある日、堺市美原区内の住宅街を走行していたワゴン車があった。『中部河内新聞』のロゴがあることから中部河内新聞の販売店の車とされる。
するとその車が突然炎を上げて住宅街付近の壁に激突して爆発したのであった。それを見た男性は悲鳴を上げた。
「うわああああああ!?」
そして現場には救急車、パトカー、消防車が複数台集まったのであった。
竜音の推理記①~燃えた車と市街地の毒~(全7話)
【竜音の通う学校】
事件の翌日、校内では事件について話題が持ちきりであった。
「知ってる?昨日車が炎上したらしいぞ。」
「知ってるよ。なんかすごく炎上したらしいな。」
しかし校内には事件の話を横で耳にしながらもそれに全く関心を示さない人物がいたのである。それは
「(さあ、今日も見たいテレビがあるから帰ろ~う!)」
いつものテンションで帰宅する竜音からは事件に対する思いは見えなかった・・・のだが。
【翌日】
次の日は学校がお休みとなり、友人の【
「おじさん・・・あれ。」
「あ、事件のようだな。」
康和は飲食店の前に救急車とパトカーが2台ずつ停車しているのを見て店内で何かが起きたのを確認した。すると何を思ったか竜音は車を降りて警察官に声を掛けに行ったのである。
「おまわりさん!何が起きたのでしょうか!?」
「あ、竜音ちゃん!!どうしたの!?」
康和は竜音に問うも彼女は聞く耳を持たずにいたのである。警察官の男性は竜音に事件のことを話したのであった。
「君、どうしたんだ?ああ、店内で女性が突然中毒になって倒れたんだ。幸い命に別状はないようで・・・」
「
「す、すみません!ごめんなお嬢ちゃん、危ないからさあ離れた離れた!」
「ご・・・ごめんなさい!」
竜音は警察官の男性が怒られたのを見てその場を離れて康和の運転する車に戻ったのであった。
「どうしたんだい?竜音ちゃん・・・」
「わ、私もよく分からないの!だけどちょっと気になってしまったの!!」
「・・・!?」
なぜ竜音は事件を気にしたのか自分でさえも理由が分からないようで不明だがただ一つ言えるのは竜音は時事問題に関心がない訳ではなかったようだ。
【竜音宅】
竜音は帰宅すると父親から車が炎上した事件を報じる新聞を読み、事件の詳細を知ったのである。
「うん・・・『大阪府堺市美原区内で同府松原市の中部河内新聞販売店のワゴン車が炎上した事件で車内から遺体で発見された【
竜音はなぜ事件に関心を抱いたかは理由は分からないがとにかく事件を解かないといけない使命感を抱いていたようだ。
【翌日】
この日はあいにくの雨で竜音は学校から帰宅すると外出をしようとしなかったのである。
「今日は外出できないわ~!飛びたいわ~!」
何もできないので仕方なく竜音はテレビをつけてバラエティ番組を楽しんでいるとバイクの転倒する音が聞こえたのである。
「転倒!?」
竜音はすぐさま外に出ると新聞配達のバイクが転倒しており、カッパ姿の若い男性がうずくまって倒れていたのである。
「大丈夫ですか!?」
「ああ、ごめん。大丈夫だよ・・・ちょっと視界がぼやけて転倒してしまったよ。」
男性を竜音は支えて起こすと彼は竜音に頭を下げて100円を渡したのだ。
「え、こんなもの・・・!?」
「俺からの気持ち。これで温かいものを飲んでね!」
「あ・・・すみません!わざわざありがとうございます!」
「気にしないで。お礼の気持ちだから・・・」
そう言うと男性はバイクに乗ってどこかへ去っていった。竜音は誠実な男性の姿に見とれていたのかバイクが視界から見えなくなってもバイクの走行する方向を向いていた。すると・・・
「竜音、入りなさい!濡れてるわよ!」
「あ、お母さん!ごめんなさい!」
母に呼ばれてあわてて家に入る竜音であった。そして風呂を出てから部屋のテレビを見るとニュースが放送されており、そこになんと先程の男性が映っていたのだ。
『いや、なぜこのようなことが・・・仕事
寂しそうな顔をしながらインタビューに応じる男性の名前が表示されており【
「(この人は本当に誠実そうな人だなあ。でも・・・)」
ただ竜音はなぜか少し竜太の雰囲気に謎の違和感を感じたのであった。
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