第15話 竜音、赤山と出会う。
校門前で突然話しかけてきたニット帽の男性に対して普段警戒心を見せないはずの竜音は少し警戒心を見せながらも話しかけたのである。
「あの・・・はじめまして、私のことをご存じで?」
「フフフ・・・君の噂は聞いているよ。」
「え?噂!?」
「まあ、細かいことは気にするな。俺は【
「私は虎ヶ島竜音と言います。」
ニット帽を被った人物は赤山昌剛を名乗り、竜音の頭を撫でる。
「まあまあ、びびらくてもいい。俺は君の敵じゃない・・・むしろ味方だよ。」
「味方?」
「フフフ・・・ああ、そうだ。」
急に進む展開に竜音はさらに戸惑うが赤山はあることを竜音に教えたのである。
「なあ、君はある秘密をその身体に秘めている。君は不思議な存在だ。その羽根も君の身体に秘められたものの力だよ。」
「秘められた力~?」
「ああ、では私はこれで失礼するよ。また会おう。」
「あ・・・赤山さん?あぁ・・・」
赤山は去っていき竜音はいつにもないテンションの低さで突っ立っていた。するとコーイチが下校しようとしていたのか竜音に近付いてきたのである。
「あ、お前何してるんだ。」
「あ、コーイチ君!?昨日はごめんなさいっ!!」
「気にするなよ。それよりさっき一緒にいた人は誰だったんだ?」
「私にも分からないの。」
「そうなんだ。まあせっかくだし一緒に帰ろう!!」
「ありがとうっ!!コーイチ君っ!!」
そして二人は一緒に下校して通学路を歩いていくが赤山は二人の姿を見えなくなるまで見守った後で呟いた。
「(まさかこの
赤山の視線は何かを思うようなものであり、これから竜音は彼と深い関わりになっていくことを知らずにいた。
《ある会議室》
その頃、ある会議室にて中年とやや高齢の二人の男性が会話をしていた。
「フフフ・・・これから面白くなるな。」
「ええ、あの女に注目しなければいけないですね。」
怪しい会話をする二人の男達だがそこに怪しげな女が現れたのだ。
「ねえ、二人とも。」
「やあ、辻子。」
「ねえ、『やあ』って呑気ね。あなたは。」
「ハハハ、呑気でいいじゃないか。」
「(全く、この人は。)」
女は高齢の男の態度にためいきをついた。それを見た中年の男はニヤリと笑うのであった。
《コーイチ宅》
一方、コーイチは自室で竜音と一緒にいた男が気になるのか体育座りをしながら考え事をしていた。
「(あのニット帽の人は一体何者なんだろう?あいつを狙っていないだろうな・・・)」
コーイチは赤山に対して疑問を抱えながら竜音のことを心配していたのであった。
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