第10話 竜音の林間キャンプと招かれざる客(後編)
無事だった上に拝高里を倒した竜音は皆から絶賛される・・・はずだったが・・・
「竜音ちゃん・・・今飛んでなかった?」
「マジックか?虎ヶ島・・・」
「い・・・いやぁ~・・・こ・・・これには訳がぁ~・・・!!」
皆から質問攻めされる竜音だったが皆の制止に入る男子生徒が現れた。
「すまんなあ!!虎ヶ島さんはちょっと身体を鍛えていて羽根は・・・錯覚や!!」
コーイチは見苦しい言い訳をして竜音を庇った。すると・・・
「錯覚かあ~!!」
「ファンタジー小説やアニメじゃないのに羽根が生えるわけないよね~!!」
「そりゃそうだよな~!!」
皆はコーイチの発言に納得してしまい、無事にその場を凌いだのであった。
「(コーイチくん・・・ありがとう・・・)」
「(前の誕生日のお祝いのお礼だ。気にするな。)」
コーイチの言葉を聞いた竜音は涙を浮かべたのであった。
そして旅館で枕無げをして盛り上がるがなぜか布団がグルグル巻きになっており、コーイチがそれを捲ると竜音が現れたのである。
「何してるの?」
「はるみっちにやられたの~!!」
「ハハハ・・・」
コーイチは呆れた様子で笑っていたのである。
尚、拝高里は意識を取り戻したあとは高斜達の質問に無言で対応するだけでそのままパトカーで連行されたのであった。
《最終日》
拝高里に変わって管理者となった
「この度は我々の仲間が迷惑をかけてしまい申し訳ございませんでした。特にお嬢ちゃん、本当にごめんね。」
「だ・・・大丈夫ですよ!!私は!!」
「いやいや、管理人さん。私が悪いんです。みんな、ごめんな!!ひどい目に逢わせてしまって!!」
「先生、気にしないでください!!楽しかったですよ!!」
「虎ヶ島・・・すまなかった!!無事で良かった!!」
すると高斜は竜音に抱きついたのである。
「先生、苦しいですよ~!!」
「無事で・・・良かった!!」
何やかんやで無事に林間キャンプは終了し、良い思い出として皆の記憶に刻まれるのであった・・・だが・・・
《バス内》
走るバスの中で窓の景色を眺めながらコーイチは何か考え事をしていたのである。
「(周辺で起きた殺人事件の犯人はあの捕まった人じゃないのか?すると一体誰の・・・まさかあいつらか?)」
すると隣に座っていた竜音がコーイチに話しかけたのである。
「コーイチくん、林間キャンプ楽しかったね!!」
「・・・!?虎ヶ島さん!!そうだね!!」
「また来年も行きたいね!!」
「うん!!(いや・・・もうしんどいよ・・・)」
波乱の林間キャンプは終わったが楽しかった竜音としんどかったコーイチの違いはくっきりと出たのであった。しかし殺人事件は誰が起こしたのか・・・また拝高里の目的の詳細は何だったのか謎をたくさん残したのであった。
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