第8話 竜音の林間キャンプと招かれざる客(前編)
ある日、竜音達は林間キャンプにやって来たのである。竜音にとっては因縁のある場所ではあるがせっかく皆が待ちに待った日であるから竜音は何も考えないようにしたのであった。
しかし一方で竜音の学校の教師の一人である【
「(この地域で林間キャンプをして大丈夫だろうか・・・?)」
《3日前》
この日、高斜は授業を終えて職員室に戻ってくると彼の席の前に誰かいることに気がついたのである。席の前にいたのは校内の清掃員である【
「鯀さん、お疲れ様です。どうされました?」
「大変だよ高斜先生。今年の林間キャンプの予定地である村内で殺人事件があったらしいよ。」
「何っ!?本当ですか!?」
何と竜音達が向かうキャンプ地付近で殺人事件が起きていたと言うのだ。
「高斜先生、今年は別の場所にするか中止にするかした方が・・・」
「・・・鯀さん、それは出来ません。皆が楽しみにしているのと別の場所の手配も間に合わないし中止にする訳にもいきません。ただ何かあれば私が責任を取ります!!」
「高斜先生・・・」
高斜の判断は普通なら『生徒の安全を考えていない』と言われかねない判断である。しかし殺人事件の情報は学校内に広まるも・・・
「俺がその犯人とやらを倒してやるよ!!」
「うわあ~、招かれざる客か!!ミステリーみたいで面白そうだ!!」
皆はノリノリであった。
「何々・・・?『村内の一軒家で【
「だな!!
そんなノリノリな皆の様子を見ていて不安を抱く者もいた。竜音である。
「(キャンプ先で殺人事件!?どうしよーっ!!行くのが怖いわーっ!!)」
竜音は意外にも殺人事件などのニュースを怖がる一面を持っており、自分が解体されそうなときや時々殺されそうなときでも笑っていても他人の巻き込まれた殺人事件には敏感なのである。
(※)この時点で竜音は林間キャンプ先が堀川達に連れ去られた場所だとは気付いていません。
「(前の日に防具を購入しなくちゃっ!!)」
《そして当日》
「げ!この場所は!?」
「どうしたの?」
「はるみっちーーっ!!何でもないよーっ!!」
「変なの~、ウフフ・・・!」
当日になって嫌な想い出の場所に戻ってきてしまった不快な気持ちと近くで事件が起きているという恐怖の二つの気持ちが変に絡んだ竜音のテンションはあまり良くなかったのであった。
「(帰りたーーい・・・!!しかも防具買うの忘れちゃったよ~!!)」
心のなかで呟く竜音。すると校舎の管理人らしき男性が現れたのだ。男性はちょび髭を生やしており、冒険服を着ているがダンディな印象である。
「皆様はじめまして。私が【
「よろしくお願いします!!」
「よろしくお願いしま~っす!!」
皆が挨拶をする中、ややトーンダウンの竜音の挨拶は少し目立ったのであった。
「はぁ・・・どうなるのかな・・・」
不安がいっぱいな竜音の林間キャンプがいよいよ始まったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます