プールに行こう!

日曜日、僕は莉奈ちゃんにプールに行かないかと誘われた。僕は大好きな義妹の誘いを断ることはできず、喜んで莉奈ちゃんの誘いに乗った。そして夕方、仕事を終えたばかりの莉奈ちゃんと待ち合わせをすることにした。




「もう夕方の6時だけど、明日学校だよ?」


「大丈夫。2〜3時間で切り上げるから」


「それよりお腹空いた」


「それも大丈夫だよ。今夜はお兄ちゃんのために手作りした弁当を持ってきたんだから!」




夕方、莉奈ちゃんと待ち合わせをすることになった場所は赤坂の高級ホテルだった。どうやら、現地集合のようだ。ちなみにこのホテルは各国の要人が来日した際、宿泊するというクラスの規模。過去にはアメリカ大統領が来日の際、このホテルに宿泊したこともある。そして、この大統領が宿泊した部屋だという最上階のスイートルームは1泊100万円以上らしい。


そして僕と莉奈ちゃんは、ホテル内にある室内プールに向かった。2人はフロントで利用の手続きを済ませると、そのまま自前の水着を用意し、更衣室に向かった。着替えが終わると、僕はシャワーを浴びプールサイドに向かった。流水プールとキッズプール、そしてウォータースライダーがある。そして程なくして、水着に着替え、シャワーを浴びたのか、少し濡れた莉奈ちゃんが現れた。




「誰もいないけど、貸切?」


「うん!だって大好きなお兄ちゃんと2人きりの時間を楽しみたいんだもん♡」




莉奈ちゃんの生の水着姿を見るのは久しぶりだ。去年、真綾や理香と一緒にプールに行った時以来だろう。そういえばこの時、凛さんとも知り合ったんだよな。そして、人気声優が僕の妹であり、僕のことを大好きと言ってくれる。今にも天国に昇りそうだ。


そう僕が考え込んでいるうちに、莉奈ちゃんはプールに飛び込んでいた。水しぶきが僕にかかる。




「お兄ちゃんー!早くプール入ろうよ」


「そうだな。僕も莉奈と遊びたいし」




僕は莉奈ちゃんにそう言われたので、そのプールに飛び込む。そして・・・




「そういえばお兄ちゃん、私の胸に飛び込まないの?」


「え?別に僕はそんな趣味なんて・・・」


「そうなの?私、お兄ちゃんなら何されても大丈夫なのに・・・」




結局、俺は莉奈ちゃんの胸に突っ込んだ。いや、突っ込まれたという方が正しいかもしれない。莉奈ちゃんが俺に抱きつき、その影響もあって、僕の顔が莉奈ちゃんの胸に入ったのだ。莉奈ちゃんの胸は意外とある。一言で言えば・・・苦しい。ただそれだけだった。そして、2人で流水プールをしばらくの間、プカプカしていた。




そして流水プールで遊んだ後、夕食を食べることにした。夕食は2人でプールサイドで食べることにした。ちゃんとテーブルと椅子もある。そして夕食は莉奈ちゃんの手作り弁当だった。しかも2人分作ったようだ。




「全部莉奈が作ったのか」


「うん!私、料理好きだし」


「それは初耳なんだよなぁ・・・」


「あれ?そうだっけ」


「うん。聞いたことない」


「そうなんだ・・・じゃあ莉奈が作ったご飯、食べて♡」


「じゃあ早速いただきます・・・美味いなこれ。何杯でもいける」


「やった!私、いい奥さんになれるかな?」


「なれるよ。絶対」


「ありがとう!莉奈、絶対にいい奥さんになれるよう頑張る・・・」




夕食を食べると、僕は莉奈ちゃんにをウォータースライダーに誘われた。僕は決して乗り気ではなかったが、莉奈ちゃんが一緒に乗りたいと何度もせがんできたため、乗ることにした。




「ちょっとお兄ちゃん、どこ触ってるの・・・」


「なんか私のお尻に変な感触がするけど・・・」




まず莉奈ちゃんが、そしてすぐ僕がすべり台から降りたのはよかったが、僕の手が莉奈ちゃんの胸に、そして僕の下半身が莉奈ちゃんのお尻に当たったようだ。莉奈ちゃんは「まあ、相手がお兄ちゃんなら仕方ないよね」と言ってくれたが。




ウォータースライダーには3回乗った。その後はまた流水プールに入った。今度は2人用の浮き輪で仲良くプカプカ。




「莉奈、兄妹が両想いっておかしいかな・・・」


「え?でも、お互い血は繋がってないし、なったものは仕方ないと思うよ」




僕は妹である莉奈を一人の女性として愛してしまった。そして莉奈も僕のことが本気で好きだと言ってくれた。端的に言えば、兄は妹を愛し、妹は兄を愛しているという状況だ。つまり、兄妹で相思相愛。




「でも兄妹は結婚できないし・・・」


「それは仕方ないよ。でも障害があった方が燃えるよね」


「それに僕は真綾から告白された。でも振った」


「え!?真綾さん美人なのに、振るなんてもったいないよ・・・」


「真綾からは従姉妹だから結婚できるって言われた。でも真綾と結婚しても、幸せになれないと思って・・・」


「お兄ちゃん・・・」


「僕はこれからどうしたらいいのかわからない」


「だったら、理香さんか凛さんと結婚を前提に付き合えばいいと思うの」


「!?その手があったか・・・」


「でも、大好きなお兄ちゃんが付き合うことになったら、莉奈、ちょっと悔しいかな・・・」


「2人が僕についてどう思っているかは知らないけど・・・」


「2人とも、お兄ちゃんのこと好きだよ?かなりラブな様子だけど」


「そうなの?」


「うん」


「でも、僕が恋愛対象にしていない人とはあまり付き合いたくないなぁ・・・」


「お兄ちゃん!それ、女性をバカにしてない?」


「ごめんなさい。撤回します」




夜のプール。外は雨。中には2人しかいない。そのせいか、周りからは雨音しかしない。2人の会話が途切れたらとても静かな状況だ。そして・・・




「お兄ちゃん、もう9時前じゃん。そろそろプールから出ようよ」


「そうだな」




僕と莉奈ちゃんはプールを出て、シャワーを浴びた後、着替えをするために一度別れた。僕が着替えを終えるとほどなくして、莉奈ちゃんも戻ってきた。




「クシュン!」


「莉奈、風邪ひいた?」


「今日雨だし、プールに入ったからかな・・・でも、楽しかったよ!」


「ありがとう。僕も今日は楽しかった。莉奈とこのまま、ずっと一緒にいたいって思った」


「莉奈もお兄ちゃんとこのままずっと一緒にいたい・・・でも、凛さんや理香さんのことはちゃんとケリつけてね」


「そうだな・・・近いうちに決めるよ」




ホテルから出た後の家への帰り道。外は雨が降っていたけど、莉奈は僕に最高の笑顔を振りまいていた。

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