番外編:壱-弎:あの頃は若かった、でも、今じゃ年の差やばいよな。

「まさか、お前と殺し合う事になるとはな」

「ナンバーワンは二人はいらないそうだろう?大輝」

「なら、俺がナンバーツーでもいいんだよ?トミー、どうせ同業者じゃないんだからな」

「元殺し屋だったとしても、元のお前はいまでもナンバーワンの席に座ってるんだ、ならお前を倒して俺はナンバーワンになる」

「それがお前の決意か、それはお前の意思なのかトミー!」

「無駄話は終わりだ!掛かってこい大輝、ここからはお互い幼なじみじゃなく、殺し屋として対等に戦おうじゃないか」

「死んでも恨むなよ」



行きつけになりそうな喫茶店に入り、朝食のセットを頼み席に座る、コーヒーの良い匂いが鼻を通る、届けられた朝食のトーストに一かじり、胃に飲み込みコーヒーをブラックのまま飲む、爽やかな朝の始まり・・・になるはずだった、こいつが目の前にいなければ。

「朝っぱらから何の用なのかな、俺暇じゃないんだけど。優樹菜ちゃん」

目の前にいたのは髪を切ったばかりだという黒髪ショートカットの優樹菜だった。

「同い年の同級生が、顔を見たくて会いたいって言ってるのに用なんてないでしょ?」

「まあいいんだけどさ、俺の紅茶返してくれない?。俺コーヒー飲めないんだけど」

「男の子なんだからそれくらい飲みなさいよミルクでも砂糖でもいれて」

「急におかんみたいなこと言うなよ」

「私の用件はこの手紙と、ちょーっとだけお願いがあるんだけど・・・」

「俺の連絡先は誰から仕入れたんだ?」

「ミスティ先生だよ、あの人もあなたが日本にいるって知ってるらしいわ、だからアリスちゃんには内緒にしといてって言われたわ」

「相変わらず余計な事しかしないな、あいつ、この手紙は?」

「ミスティ先生から、大輝に会うなら渡してくれってね」

へぇ、といいながら手紙を手に取る裏にはトミーの名前が書いてあった。

「で、お前の用ってのは?、どうせろくでもないことだろう?」

「むー、それはちょっとひどいよ、お互いに初体験を分かち合った仲じゃない」

「掘り返すな、それは若さ故の過ちってやつだ」

「責任とってよねってことを言いに来たの、いいでしょ?どうせ好きな子の一人もいないんだから」

「今時そんなこという奴いないと思ってた」

「しょうがないじゃない私、大輝の事好きなんだから」

優樹菜が小声でなにかをつぶやいた、多分それが彼女の本音なんだろう。

「え?なんて言った?、もう十回くらい頬を赤らめて、涙目で言ってごらん」

「もう、知らないっ!」

「相変わらず、その子供っぽい所は治ってないんだな」

「大輝の変な趣味の所もね」

「俺はいつだって普通だけど?」

「そうだったね」

「それで、お前の本当の用件は?」

「だから、さっき言ったのだっていったじゃない。私そろそろ学校行かないとだから」

「学生は大変だな」

「あ、一つだけ忘れてた」

優樹菜が近づいてきた、何故か頬を赤らめて。

「私、いまでも大輝の事好きなんだからね、二年前のあの日のお陰で知り合えたような物だけど」

そう言って優樹菜はほっぺにキスをして店から出て行った、はっきり言うが優樹菜からしたら同い年の同級生かもしれないが、俺からしたらかなりの年の差なのだが。

「さーてと、依頼人の所いくかな」

今日の仕事が終わってからで、いいだろうトミーの手紙を読むのは。



「はい?今なんて?」

「いや、だからですね、うちのアナウンサーが何者かに脅迫されていまして、その者を突き止めて懲らしめてほしいのです」

「アナウンサーが狙われる意味がわからないんですけど、なにかしたんですかその子」

「詳しくは本人に聴いてください」

「わかりました」

意味がわからない、しか言葉が出てこないどうすればいいんだ軽くあしらえばいいのか。

行け、と言われアナウンサーがいるという部屋へ向かった。

ドアノブへと手を掛け中へ入るいつも通りの営業スマイルで。

「失礼しまーす」

「え!ちょっとまって今着替えて・・・」

中には女性アナウンサーが一人、着替え中でスカートを下ろしている状態だった。

素晴らしい光景が目に映っている、おれ、ラッキースケベの才能なんてあったっけな。

「あ、気にしないでください、いい目の保養になるので」

(注:人間のクズです)

「気にします!出てってください」


彼女の着替えが部屋に再び入る、蹴られたり、殴られたり、物を投げられたりはしなかったが、逆に少しだけ良心が痛む。

「それで、あんたが狙われているってのは?」

「三日ほど前のことです、私の家に一通の手紙が届いたんです。『お前の手に入れた物を渡せ、さもなくば殺す』と」

「その手に入れた物とやらに心当たりは?」

「ないです」

「いままでになにか嫌がらせとかはあったの?」

「この前、撮影中に機材が降ってきた事がありました、その時に局長に相談したんです」

「へー、それで俺に仕事を頼んだと」

「女癖は悪いけど、頼りになる人だって」

「女癖がわるい?」

「聞きましたよ、女子高生を◯◯◯して楽しんでる上に、アメリカに住んでたときは300人の女性と◯◯◯して自分の子孫を大量に残そうとしてるとか、アフリカにいたときはそこら中の女の人と◯◯◯◯して、唇を奪った後に捨てたとか、家に入るだけの女の人を入れて◯◯してたとか、今は女子高生の彼女がいるとか、女の子のために軍を一つ壊滅させたとか」(注:自主規制)

「もういい、それ以上言うな、そして最後の二つ以外は全部嘘だ、絶対に他人に話すなよな!」

最後の二つ以外は本当に嘘です、いくら俺でもそこまではしません(そんな噂が出ることに反省)。

「そういや自己紹介がまだだったな俺は和田大輝、あんたは?」

「橘華です、彼氏はいないですけど、お、襲わないでくださいね」

「そういうこというと、守ってあげないから」

「だって、本当に嘘だって言われたって信用ならないじゃないですか」

「なら本当に襲って、嘘じゃなくしてやろうか?」

「遠慮しときますね」

「遠慮しなくていいのに」

「今日はもう仕事はないですけど、どうしますか?」

「好きにすればいいんじゃない?俺はあくまでもボディガードですから」

「そうは言われても、やっぱり心配で」

「女癖が悪いのは嘘だけど、自分で言うが腕は確かだ、俺が守ってれば命は保証するよ」

「じゃあ、行きたい所があるんですけど、いいですか?」

「ホテルなら、お供しますけど」

「ただの買い物です!」


テレビ局駐車場に行き、自分の車に乗った防弾加工のしてあるエボ6、デザインが好きで買った車だったが、性能がよく乗ってみればいい車と言うことで愛用しているのだが、本当にいい車だ。

「乗って乗って、流石にウォーターベッドとまでは行かないけど、運転技術なら保証するぜ」

「じ、じゃあ、こ、後部座席に」

「なんでだよ!?、助手席乗れよ」

「それなら、助手席に失礼しますね」

車にのりシートベルトを付ける、ちなみに改造は防弾装備だけではなく、キー操作でエンジンを掛けたり自動操縦したり、水中走ったりボタンを押せば機関銃が出てきたりとになっている。

「どちらまで行きましょうか、お嬢様」

「手を取ってあなたとなら何処へでもとでも、なんていいませんよ」

「俺に惚れるなよ」

「惚れません」


移動中後方に白のGT-Rが付いてきているのがわかった、最近の殺し屋はいい車に乗ってるなぁ(←人のこと言えない)

「そういえば、局長はなんで俺なんか雇ったんだろうな、もっといい奴がいただろうに」

「私情で軍を一つ壊滅させる人なんて他にはいないと思いますよ」

華はふふっと少しだけ笑っていたどうやら、少しは信用され始めたらしい。

「俺を雇ったのってあんたも公認してたのか?」

「もちろん、だって私が局長に頼んだんですもん」

「なんでそんなこと」

「ねえ、大輝さん、私も質問されっぱなしじゃつまらないですから、お互いに一つ交互に質問しませんか?」

「いいけど、んじゃそっちからで」

「大輝さんて彼女とかいるんですか?」

「いないよ、結婚したいと思うような相手も出来てないしな」

「それじゃあ次は大輝さんの質問に答えますね」

「さっきの質問の回答がまだだったからそれでいい」

「なんで私が大輝さんを雇うように頼んだか、でしたよね。理由は簡単です、腕は一流、なんですよね?」

「なるほどね」

「大輝さん今おいくつなんですか?」

「あぁ、その質問には答え難いんだけど、今は23くらいかな」

「私とおんなじくらいなんですね」

「そっちは彼氏とかいないの?」

「いないですよ、アナウンサーって出会いの場ないんですよ」

「プロ野球選手とか」

「気になりますか?」

「ぜーんぜん、人の幸せは聞いてても面白くねーからなぁ」

「そうですね、でも、大輝さんとならいいかな」

「え?、ごめん聞こえなかった」

「なんでもないですっ」

質問のし合いをしていると目的地のショッピングモールに着いた、なんだろう、華と話していると昔の事を思い出す。



買い物が終わり帰るというので車に乗り込む、どうやら付いてきていたGT-Rも駐車場に止まっているようだ、あれは囮かそれとも本命か、どちらにせよ戦わなきゃならいのは確かだろう、しかし、今は静観しようこちらから仕掛けるのは得意ではないし。

「そんなにいっぱい買い物して家から出ないつもりか?」

「局長の命令ですよ、犯人が捕まるまでは家の中で大人しくしてろって」

「へぇ、随分と優しいんだなあの局長」

「命に金は返られないとかいってましたね」

「異例中の異例か」

「普通なら私みたいなアナウンサーには脅迫状なんて届かないですから」

「そう、だな」

普通に考えたら…脅迫状なんて信じてもらえずに終わるだろうが、犯人が捕まるまでの休暇に加えて護衛を付けるなんてたりえないことなんだが。


華の家に着くと部屋が荒らされていた、多分相手が本格的に仕掛けてきたのだろう。

「こりゃあひっでーな、とことん荒らされてるじゃねーか」

「本当に私が狙われているんですね」

「自覚なかったのか?」

「命を狙われているって言われても自覚なんて持てない物、ですよね」

「安心しろ、犯人はちゃんと捕まえてやる、それまではお前の命も保証するよ」

「犯人は目的の物は見つけられたと思いますか?」

「見つかってないんじゃないか?見つかってたら見張りも消えてるだろう?」

「そうですね、私、今日は何処で休もうかな」

「うちで良かったら部屋貸すけど?ま、華ちゃんが嫌じゃなかったらだけど」

「・・・・・襲わないでいてくれるなら」

「襲わねぇっての」

話していると後ろからなにか妙な音がしたシューという音だった。

が、次の瞬間室内が催涙ガスで充満した、反応した時には遅く俺と華は催涙ガスを吸ってしまった、糸が切れたようにふっと意識を失った。

「おい!中の奴は眠ったか?」

「あぁ、問題ない、へっなにがハウンドだ催涙ガス程度にやられるなんて口ほどにもねーぜ」

「まぁいい、車に乗せるぞさっさと仕事を終わらせよう」

ガスマスクを装着した二人組の男が部屋の中に入り華を担いでいた、間違いないこいつらは手下の一人だろう。

頭がぼーっとするなかなんとか意識を保ち起き上がる、ふらふらでもチンピラ二人風情倒すのに苦労はしないはずだ。

「おい待てよ、そいつは置いてけ、俺の、だい、じな、依頼主なんだよ」

「なんだこいつ、化け物か!?催涙ガスを吸って立ってられるなんて」

「よく見てみろ、ふらっふらじゃねーか、二人がかりならこんな奴やれるだろう」

「そうだな、さっさとやっちまおう」

そう言って二人組が取り出したのはナイフだった、もし抵抗されたとき脅すようにでも持っていたのだろう。

「かかってこい、相手になってやるよ」

「ふらふらの癖に、よく喋るぜ」

「無駄話は無しにしよう」

「面白い後悔させてやるぜ」

飛んできたナイフを避け腕を掴む、たとえふらふらでまっすぐ立っていられなくとも、チンピラくらい相手にするのに苦労はしない。

【月影流武術:背負い投げ】

ぐぎゃあ、と世紀末の雑魚キャラが言いそうな声を上げうずくまっていた。

「くそぉ!お前よくも!」

「生きてるだけでも感謝して貰いたいくらいだ、ふざけやがって」

腰を下ろし、左腕を引く右手を前に出し手のひらを構える、ピントが合えば確実なのだが命中率は気にせずどこでもいい、当ててやる。

【月影流武術:正拳突き】

心臓部は外したが確実に胸部を突いた、男は家のドアを突き破り廊下から下へ落ちていった。

「あ、やべぇ、ここ何階だっけか、まぁいいや全身複雑骨折くらいで済むだろう」

(注:六階です(笑))

「さてと、意識が途切れるまえに、ミスティに電話しとくか、後処理と頼み事をしよう」

携帯を取り出しミスティに掛ける、メール以外でのやりとりは二年ぶり、さぞお怒りだろうしかし背に腹はかえられない、さっさと電話して楽になろう。

「ミスティ、この携帯追跡して現在地にお前とあのポンコツ二人連れて来い、五分でこい、意識が十分持つかわからない」

〔大輝さん、やっと電話してくれたんですね〕

「話と文句は後で聞いてあげるからさっさとこいばか」

〔はーい〕

「さてと今は暇だしトミーの手紙でも読むか」

「大輝さん、来ましたよ」

トミーの手紙に一瞬スッと目を通しただけでミスティが来た。

「随分と早いんだな」

「知らないんですか?わたしも一応魔法使えるんですよ?」

「そーだったな、俺が教えた瞬間移動魔法と、狙撃技術はしっかりと取得したんだな」

「うん、射撃は任せといて!」

「その言葉には『誤射』の二文字しか思い浮かばねぇんだが」

「久しぶりだな、ボス」

「最後に会ったのは学校の時以来だもんな」

「ボスが消えて以来あんたにきたほとんどの仕事は俺達二人でやってたんだ、感謝して貰いたいくらいだ」

「悪かったな、ライム、スペツナズ、でも、仕事回したのは俺じゃなくて副社長のミスティだ、ボーナスがほしいならそっちに言えよ」

「だ、そうです副司令」

「大輝さん、いい度胸してますね、ならお二人のボーナスは大輝さんの給料から引きますね」

「え、まじっすか、ちょっかんべん」

「大輝さんには今の仕事が終わったらミスリルさんからのお仕事の依頼が来てますから」

「りょーかいです」

「とりあえず今の仕事が先だな、ライム、スペツナズ、華を頼む、ミスティ着いてこい狙撃担当だ」

「「了解ですボス!」」

「行くぞミスティ」

「はいっ!」

トミーからの手紙には、ミスティに頼んだ情報に載っていたここに伸びている男達の親玉の存在、その名前が『ラオウ』と言っていた、一瞬それってあれ?世紀末の覇者?あ、ラーメンの方?、と、ふざけたボケをしたがそんなわけがない。

トミーからの手紙の内容は単純明快、今はラオウに雇われている、ただ一つ問題はその組織に俺は脅されている、戦う事になるかも知れないが、その時は覚悟する、と。

本音を言うなら討ちたくはないでも、脅迫の内容がわからん以上手の出しようがない。

「とことん脅迫が好きな相手らしいな、俺を相手にして、俺と親友を殺し合わせようとしてる奴には骨の髄まで後悔させてやる」



-後書き-

グッドラックモーニング!

現在時刻は(後書き描いてる)04:25おはようよりははやいけどこんばんわには遅すぎる。

えーみなさんお気づきかもしれませんが、当初の予定を大幅に蹴っ飛ばしやった結果桜ちゃんを出す場面が消えそうです(笑)。

もう一つ発表点としては次回から僕の大好きなフルメタルパニ◯クを元ネタに番外編第二弾ミスリル編を作成する事が決定しました。

(自分の中で)

番外編壱は次回で終わる、と思います、本編の方が進むのはえーっとw年明け頃かな?。

やる気が無いわけでは無いんです、指がうごかんのです。

未来編(ほんぺん)第一話は番外編壱-弎が終わってからと考えています多分上手く行けば同時投稿にならないかな?w。

そういえば私情でございますが、わてわての大好きなYouTuberさんが宣伝ツイートをRTしてくれたときは発狂しました。

所々その方が使ってるネタも使わせていただいておりますこれからもみなさまこの救いようのないポンコツをよろしくお願いします!

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