駆け引き

-放課後保健室-

もう心が折れて保健室に逃げ込んでいた、あれからさらに一時間奮闘するも一切思惑通りにはいかなかったのである。

「もういやだ!学校なんて辞めてやる」

そもそも誰だー教える方は得意だとか行った奴は!とぶつぶつつぶやいていると後方のカーテンから女生徒が出てきた。

ラベンダーのような青色のサラッとしたロングヘアーの女生徒小川菜央その子だった。

「お前以外と良いスタイルに可愛い顔してんじゃん」

「へ、変なこといわないでください!」

「ほ、褒めてるんだけどなっ!」

その場から移動して話すのも俺が面倒だったから放課後小川に聞きたいことはその場で聞いた。

「それで、死にたがってる理由は何なんだ?」

「私だって死にたがってた訳じゃないです」

昼の時間学校の屋上から飛び降りたのをしっかりと見てる相手にどう良い訳するのか気にはなったが続きを話す前に口を挟んだ。

「誰かに脅された、か?」

その言葉を聞いた瞬間菜央はうつむき口を閉じた、しかしその行動をみて俺の抱いていた不信感は確信へと変わった。

「たとえこの学校でいじめがあっても被害者が遺書なんか残してなければ全員がいじめなんかなかったっていう事をいえば学校も教育委員会も手を引くたとえそれが何人でも偶然の出来事で処理されちまうからな」

俺は一向に口を開くつもりのない菜央は無視して独り言のように話を進めていった。

「雇われの身ならたとえ不信感を抱いて発言しても相手にされないし、最悪金で丸め込めるとでも思ってたんだろうが俺はそこまで甘くなかったってことだな。

人の命に重いも軽いもあるはずねーのに」

無意識のはずだが右手はかなり強めに拳が握られていた。

「これだから、警察も政治家も特に学校の人間みたいな人の目を気にしてなんでもかんでもうやむやにする奴らは嫌いなんだ」

俺の推論が正しければ最悪俺も邪魔になれば任期を終える事無く辞めさせられる可能性がある、校長も絡んでいるなら。

「小川もう帰って良いぞ俺も見たいドラマあったの忘れてたわ」

「はい、失礼します」

そう言って菜央が保健室から出て行ったのを確認して木崎さんに電話した。

〔おまえな~勤務中に電話掛けてくんなってあれほど言ってるだろうが〕

「木崎さん、過去五年間の学生の自殺事件の資料集めてもらえますか?」

〔なんだ事件か?〕

「いや、職権乱用して調べ物を」

〔わかったパソコンに送っとく〕

俺は携帯を閉じるとワープを使い家へと帰った。



結局木崎さんから送られてきた資料にもあの学校での死亡者又は自殺者は今年だけでも4名内1名は教員だった、そう、過労で倒れたと校長に話された教員だった。

多分学校側で事実を知るものはほとんど全員だろうそんな中無駄に勘が良くて頭のキレる奴が入ってきたとなったら事実を知るものは間違いなく邪魔に思うはずだ。

つまり校長は事実を知った上で自ら罰を受けようとしているのかもしれない。

「叩けば叩くだけほこりが出てきそうだな証拠がつかめるまでは大人しくするか」

ベッドに横たわり覚悟を決めた最悪の事態になったとき自分自身の手を汚すことになるという覚悟を。

一週間後の修学旅行それが終わってから仕掛けるそれがたとえ間違った選択だったとしても自らの理想、正義の為に行動を起こす。



ー次の日の朝ッ!ー

携帯の履歴をみると昨日の昼間にアドレス交換した唯から夜に電話が来ていたことがわかった、普段スマホの方は使わないためマナーモードにしていたのが悪かったようだ。

いや、そもそも携帯を二台に別けているのがわるいのかもしれないが。

それから一週間は特になにもなかったこれといった証拠がみつかる事も無かった校長自身に問い詰めよともしたが一週間学校に校長の姿は無かった。


ー修学旅行当日ー

朝早くから駅に集合し新幹線に乗っていくと言うプラン内容だったのだが教員は俺一人それに対して生徒は数十名しかも全員バラバラの自由行動という問題だらけトドメを刺すなら女性教員がいないため部屋の巡回や監視などが一切出来ないのである。

クラスの全員が一週間で話しかけてくれる状態にまではこぎつけたがやっぱり監視は唯に任せて俺は一人でサボってる方がよさそうだ。

「さっ!さっさと新幹線乗っていこう!」

新幹線に乗るなり四人席に座ると糸が切れたように意識を失いそうになったが意識をなんとか保っていると隣に唯反対側の席に菜央が座るというある意味特殊な状況下になってしまった。

「大輝くん今日も徹夜したの?ゲームの方はログインしてないみたいだけど」

「しばらくはログボだけ取っての繰り返しになるかもな会社の(社長としての)仕事と調べ物と副業(警察とかその他多数)その他いろいろやってるともう手が追いつかなくてな」

ふぁー、っとあくびをしながらポケットからスマホを取り出しイヤホンを取り付けた。

「つか、お前ら俺は大人しく寝てるから他の奴と騒いで来いよ」

「私、ちょっと朝弱くて」

私も朝から騒ぐのは苦手かなと菜央の後に唯が続いて話していた。

「お前ら学生なんだから昼夜問わず騒いでろよ」

「大輝くんだって学生の歳でしょ!一人だけ大人ぶるの良くないよ」

「学生の歳?」

唯の言葉に菜央が反応したいくら若く見えるからと言って普通なら二十歳以上のはず学生の歳のはずがないのだ。

「あーなんでもないから、とりあえず俺は寝るからお休み」

そういって俺はイヤホンを耳に付け音楽を流し唯の膝の上にサラッと横たわり目を閉じ眠った。

新幹線で二時間半それだけあれば京都には着くだろう最近の乗り物とは速く安全に作られて行く一方だ、本当に日本の技術は素晴らしいと思う。

六時半出発で到着予定は九時その時間はアクシデントがなければゆっくり休めるはずだ、アクシデントがなければ。

一時間程しただろうかさっきまで騒がしかった車両内が静寂へと変わった。

唯に体を大きく揺らされ目を覚まし体を起こすと今まではしなかったほんのりとした火薬と血の匂いがした反対側の扉の方を見ると男が二人、一人はニット帽を被った黒いジャケットを着た男、もう一人はロン毛っぽい髪型の男だった。

「どうもー強盗です皆さんの携帯と財布を私達にください、大人しくすれば誰にも危害は加えませんから」

強盗と名乗る二人組は軽ーいノリで生徒の財布と携帯を取ろうとしていた。

この血と火薬の匂い絶対にただの強盗じゃない火薬の匂いだけなら良いわけはできるがあそこまでの血の匂いは強盗じゃしないたとえ銀行強盗に入った所で人質を全員殺したとしてもあそこまでのおぞましい匂いはしないはずなら知りすぎた人間を殺す為の傭兵又は殺し屋か。

二人の手元を確認するとグロック18を持っていた拡張マガジン付きで。

「逆らったら最悪の場合全員処刑、別車両にいるのも巻き添えに、んー、一人か二人雑にやったら死ぬな、かと言って俺は銃もってないし」

スッと携帯を見ると電波障害が起きていたトンネルの中ではないのに。

「高速で走る新幹線に電波障害を起こすとはなかなか手の込んだ計画みたいだな」

まずは手始めにグロックの弾薬の凍結そして車両に爆発物が取り付けられていないかの確認をした。

「唯、菜央俺が合図したら全員を別車両に移動させろ」

結果は白、爆発物の反応はなく弾薬の凍結も上手く行った。

わかった、という唯の返事を聞き非常用に集めていたワインのコルクを手に取りだした。

「あれ~?この車両には物わかりの良いせんせーはいないのかな?銃を突きつけられて大人しく要求をのまない生徒を育てるせんせーはどこかな~?」

盲点だった生徒の誰一人として口を閉ざしたまま携帯も財布も渡してはいなかったのだ。

まずったそっちまでの計算はしていなかった最悪銃は凍結済みだがそれがこっちが仕掛ける前にバレるのはまずい。

俺は立ち上がった特に考えもせずに気づいたら立っていた、多分正義感というより被害者が出て欲しくないという願いの為だったのだろう自分自身でもよく理解することの出来ない行動だった。

「俺だよ、こいつらの担任は、それとお前らが狙ってる目標ターゲットもな」

「なんの事かな?僕たちはただの強盗だ」

ロン毛の男が舌を出しながら言った、その通りだった半分当てずっぽう確証も証拠もないただの勘だしかも命中率の高い、自分にとっての危険察知のような勘だ外れようと外れまいと最終的にはそこにたどり着く。

とにかく今は証拠がなさすぎる。

「話さないなら力ずくで吐かせてやるよ」

両手からコルクを飛ばし一瞬の立ちくらみを起こさせて二人を蹴り飛ばした。

「唯、菜央いまだ!」

合図と共に唯と菜央が動き出し他の生徒と共に別の車両へと移動を開始した。

立ち上がるまでに弾の凍結はバレるならば新しいマガジンを差し込まれる前にカタをつける。

立ち上がった二人の向けてきた銃に手を伸ばし解体した、フィールドストリップによって。(フィールドストリップとは拳銃のピンを抜きスライドを引くと外れるっいうやつですね詳しくはしらないw気になる方はぜひmgs3のザ・ボスでもみてください。

実際にグロック18で出来るのかは不明すいません相変わらずの無知ぶりで)

二人と共に全生徒が今乗っている車両から出て行ったのを確認し、平手突きでニット帽の男を飛ばしその状態のままロン毛の男の左肩を外し回転蹴りでニット帽の男に被るように飛ばした。

右手にSAA(シングル・アクション・アーミー)を出し二人に突きつけた。

「選択肢は2つ、1つは依頼主を俺に話して新幹線から投げ出されるくらいで済むのを選ぶか喋らないでさっさと死ぬかのどっちかだ」

「新幹線から投げ出されたら死ぬと思うんだがな」

「大人しく協力して反攻する気がねーなら雇ってやってもいいけど?」

「お前の学校の教員の誰かだこれ以上は言えない」

首元を見せられると首に鉄のチョーカーが付いていた等間隔に赤いランプが光っていた。

「問答無用で放り出すか」

「外をみてみろどうせ生きては帰れない」

外を見ると新幹線に並走しているヘリがいた機銃をしっかりと車両に向けて。

「そーいやいつの間にか新幹線止まってんな、何十、何百、いやもっとか」

「諦めて首を差し出した方がいいぞ」

「ははっ、じょーだん死ぬにはちとベッドがかてーぜ」

SAAをしまいデザートイーグルを取り出した明らか普通の人間が使えば肩の外れる銃に火力を強化した弾丸の入ったマガジンをデザートイーグルに差し込んだ。

「弾は三発一発目で新幹線を動かし二発目で下げられないようにレバーを壊す。

ライフルは骨で支える骨は地面の確かさを感じ骨は地面と一体化するそれが信用の出来る固定だ、距離321m弾丸は空中で9,5cm移動する。

あ、これライフルの固定の仕方だ」

右手で構え左手で右手首を固定、透視した視覚で客を全員とらえその全て当てないコースを選び抜きその一点を撃ち抜く!

銃身から放たれた二発の弾丸は壁を貫き読み通り一発目は車両を動かす為に二発目は手動で止めさせないためにレバーを折った。

「よっしゃ」

「俺達がいたら安全じゃないぞ、あのヘリがついてきててもな」

「それは人間ごと凍らせて車両の外に投げ捨ててヘリは残り一発で撃てば問題ない」

さっきの発砲で若干腕が痺れてはいるがヘリを墜落させるくらいなら造作も無い。

二人組の男の首につけられたチョーカーに手を当て冷凍処理し取り外した。

「これで後はヘリだけだな」

「なんで殺さない」

「無抵抗というか抵抗の出来ない相手に銃を向ける程落ちちゃいない。

それにあんたらは俺の手駒で使った方が利益が出そうだ」

本当の事を言うとここで血を流させたく無いだけだった、ここには他の人間も乗っている血を見てはいけないような年の子供もいるかもしれないし。

「あんたらはここに伏せてなあれ《ヘリ》を落としてくるここじゃ不利すぎるぜ」

そういい唯たちが逃げた方向とは逆の扉へ向かい乗車用の扉をこじ開けた。

ドアからよじ登り新幹線の屋根に立つと強風により体を起こしているのが精一杯な状態だった。

「残り一発パイロットを撃つか羽を撃つか2つに1つ」

足を広げ再び左手で右手首をつかみ銃を構えた、チャンスは一度これを外せば次はない。

狙いを定めているとヘリの機銃が乱射された、俺は体制を崩さずに立ち体にかすった弾の痛みすら無視して狙い撃ちした。

「今だっ!!」

放たれた弾丸はヘリの羽軸(表現あってるのかな?)へ向かった、しかし弾丸は当たる事無く明後日の方向へと消えていった。

「くそっ、外したか」

デザートイーグルのマガジンを普通の弾へと装填し連射した、しかし普通の弾丸で撃ち抜ける装甲ではなかった。

最初からパイロットを狙えばいい、そう後悔しているうちにポケットに入れたまま放置していた二人組のつけていたチョーカーが目にとまった。

恐らく中身は爆弾ヘリに取り付けて爆発させれば、自分の位置からは50mいくら肩が良くてもこのスピードじゃまっすぐに投げられる訳がない。

「一か八かやってみるっきゃない」

1つのチョーカーを投げた全力でヘリの先端の少し先へ。

しかし、チョーカーはヘリにかすめることなく外れた。

2つ目のチョーカーを投げた今度は本当に変な方向へ。

「この距離なら外さない」

(3秒後ヘリと一瞬すれ違うチョーカーを撃ち抜く)

人間離れした計算力と駆け引き自分の命すら投げ出す覚悟の1投はなによりも、自分より人のための一撃をもたらす為の物。

たとえ差し違えてもこの一撃は、外さない、その思いを乗せた一発の弾丸はヘリへの着弾と共に大爆発を巻き起こした。

それを確認しすぐに車両内へ戻った、至近距離でのヘリの爆発に巻き込まれればいくら俺でも意識不明の重体になりかねないから。

「ふー、死ぬかと思った手玉が無いときは敵の玉とはよく言ったもんだ」

「RPG無しでヘリを墜落させる人間がいるとはな」

ニット帽の男が言った。

「それが今からお前達のボスになる人間の実力だ覚えとけ」

「銃の命中率は低いようだがな」

「44マグナムやデザートイーグルならともかくM1911やS&WM686なら外さないさ」

「そうか」

「今から病院へ飛ばす、安心しろ俺の知り合いの所だから警察に突き出されたりはしないさ、そもそもいまの出来事がうやむやにされてれば関係はないが」

そう言って二人に転送魔法を使い知り合いの病院へと送った、まぁ俺が払う医療費に関してはばか高い可能性もあるがそれはやつらに出世払いで払ってもらうか。


十分もしないうちに京都へ着いたもちろんレバーが壊れているためスカイブロックで車輪を強制的に固定するという方法で止めたのだが生徒には「さっきの強盗は警察に突き出しといた、え?爆発がなかったかって?花火じゃない?」と上手く(?)ごまかした。

ホテルへ着くなり全員荷物を置いて出かけて行ってしまった(全員別行動の三日間行き帰りいがい自由行動の日程)色々とアクシデントはあったものの初日は問題なく終了したのだった。



ーあとがきー

待ち受け画面の千聖ちゃんに癒やされて投稿が遅れる事予定日程から二日まーいろいろありました。

そろそろハーレム系のいやしギャルゲーやりーてーなとか思い始めてきました。

あくまで宣伝ですが合間合間に執筆してるゲーム関係の日記、みたいなものを投稿する予定ですいつになるかはわかりません(キリッ

それではモン◯トの電撃コラボで投稿が遅れる事を今のうちにいっておきまして私は寝ますおやすミートストロガノフ!

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