崩壊

爽やかな目覚めスーツに着替え部屋から出ると香りのいいコーヒーの匂い爽やかな朝を迎える事は無く、目覚めはよかったものの結局スーツは買わなかった為服装は流石にパーカーとは行かなかったが制服のズボンにYシャツというゆっるい感じの格好にコンビニで買った缶コーヒーをもちながらゆるーく学校へ向かっていた。

「学校行ってなんか言われたらどうすっかな、まっ、いっかおれバイトだし」

「大輝くん?」

声を掛けられ後ろを振り向くとそこにはこれからいく高校の制服姿の唯がいた。

「唯ちゃん?なんでこんなとこいんの?それよりその制服」

「春日高等学校の制服だけど、変かな?」

「いや昨日のエロいじゃない普段の格好を見るとなんかコスプレ感と新鮮さがね」

「こ、コスプレじゃないよ」

「うん、知ってる」

「大輝くんはどこに行くの?」

「ん?唯ちゃんと同じ春日高等学校だけど?」

「新しい仕事って一体」

「いまにわかるさ、縁とは不思議な物なんだよ」

「使い所おかしいよね」

唯と二人で話し続けながら学校へ向かっていた。

私立春日高等学校と書かれた銘板の貼り付けられた校門には風紀員らしき人物が立っていた。

生徒に見えたのか俺は標的にされたようだったもっとも本命は唯の方だったようだが。

「草野さんあなた朝から彼氏と登校なんて良いご身分ねそれとも成績は良いから舞い上がっているのかしら」

「(なに、唯ちゃん目の敵にされてるの?)」

「(たまたま今の学年になってから成績が良いだけなんだけどなんだか恨まれてるみたいで)」

「(そりゃまた結構、随分と筋違いなようで)」

唯こそこそといっしょに話しているとなんだか唯が可愛そうに思えてくる事情がわかった女ってやっぱ怖い。

俺は営業の時のサラリーマンのような笑顔に切り替えて風紀員に話しかけた。

「あのーほんとに勘違いが多いみたいなんで訂正しときますけどね俺は学生じゃなくて今日から一ヶ月来たバイトの先生、んで唯ちゃんとはただの知り合い彼女だったらさぞ幸せなんだろうけど残念ながらそういう関係じゃないから」

「あなたが?教師?」

「んじゃそういうことで俺は説明があるらしいんで職員室に用事があるので」

「わ、私も失礼します」

風紀員の肩をポンと叩きスタスタと歩いて行った俺を追いかけるように早足で唯がついてきた。

「仕事ってそういうことだったんだね」

「ア・ル・バ・イ・ト!」

唯と別れ職員用の入口から入り職員用へと入るとなにやら普通ではおかしいような歓迎ムードだった。

他の職員の歓迎ムードを引き気味に対応していると奥から出てきた先日の校長が出てきた、手でちょいちょいっと呼ばれ校長室へ入った。

「いやぁ来てくれてなによりです、職員一同感謝しております」

「なんでこんなに歓迎ムードなのかは知らないが、そんなに問題児ばっかなのか?」

「なんといいますかもともと女生徒の数が多いクラスなのですが、全部の男子生徒は登校拒否前任の先生も男性でしたが一学期もたず六月いっぱいでダウンしまして。

挙げ句の果てには他教科の先生も手を焼くしまつでしてそこで和田さんには全教科を一人で一クラス担当してもらいたいのです」

「いいですけど一応おれも男なんすけどね」

「お気になさらないでください」

校長と話していると8時を知らせるチャイムが鳴った。

「担当クラスは2年2組3階ですわからなければ案内いたしますが」

「自分で行くんで大丈夫っすわ」

そういい校長室を出て行き3階にあるという教室へと向かった。

教室のドアの前に立ち顔をパンパンと両手で叩き気合いをいれた。

「うしっ!ほどほどにがんばろう」

ドアに手を掛け開けて一歩を踏み出すその前にドアの上部分にある小窓の淵の部分にドアを開けると落ちてくるように仕掛けてあった黒板消しをキャッチした。

(うーん昭和っぽい)

俺は何事もなかったかのように黒板へ黒板消しを戻し教卓へ立った。

無言で教室を見渡すと生徒は十数名全員女生徒言われた通り男子生徒は一人もいなかったしかし、名簿に書かれている人数は三十数人性別ごとに分けていってもいくらかの女生徒は足りなかった、クラスにはまたまた偶然かそれとも必然かはたまた運命かそれはわからなかったが唯の姿が後は朝の風紀員他は似たような不良っぽい女生徒だった。

「今日から一ヶ月間バイトでこのクラスの担当になりました、和田大輝です。

これから一ヶ月短い間だけどよろしく!」

「「・・・・・」」

(無視かよ!!)



ーその日の昼休み学校の屋上ー

誰もいない屋上で黄昏れていると唯がやってきてしばらく話してた、面倒事を避けるための情報収集も含めて。

「なんか俺はここ一ヶ月地獄になりそうだな」

「そうだね、私達のクラスは主に主犯の人たちが男嫌いだから」

「1年生の時もそうだったのか?」

「そんなことはなかったみたいだよ」

「更生させたらおれ報酬ぼれるかな」

「ハードル高いんじゃないかな?」

「俺もそう思う」

屋上の柵に腕を乗せ外を見ているとなにやらそとでガヤガヤ騒いでいた。

「なんだあれ」

「騒がしいね」

「離れの教室がある校舎の方からだな下に野次馬どもが集まってんのか」

「あ、あれ屋上に誰かいない?」

そう言われ屋上に目を向けると一人の女生徒がいた担当になったクラスの生徒の一人だった。

「あれって、クラスの近藤だっけか?」

「小川さんだよ?来てない人も含めてそんな苗字の人はいないからね」

「わるいな名前を覚えるのは苦手なんだ」

「それ、自慢できないよ、それよりあれって」

「自殺かな?」

「軽いね」

「まっ、俺の目が黒いうちはこの学校じゃ一人もしなせやしねーぜ」

屋上の女生徒が一歩前に踏み出したのを確認して柵をまたぎ屋上から飛んだ。

「あっ、大輝くん!?」

壁に手を当て落下速度を下げつつ着地したと同時に脚部に電流が走った。

「いてぇ、無理しすぎた」

下をむいていると女生徒が屋上から落ちたのか下にいた野次馬からの悲鳴が聞こえた、それを聞き視線を前にやるともうすでに屋上から離れ落下を開始していた。

「ブースト、ドライブ」

魔法を一気に重ねがけして一歩踏み込み地面すれすれで女生徒をキャッチしたが勢い余って壁に激突した。

俺が激突寸前でくるっと周り背中から壁に当たったのだが両肩が外れた。

「ばかが死にたいのかよ」

「・・・・・」

「まだ若いんだこれから先があるんだから簡単に死のうと思うんじゃねーよ」

「ごめん、、なさい」

女生徒の目には涙が浮かんでいた、なにかにおびえているようにぶるぶると身震いもしていた。

「まぁいいや、ちょっとどいてくれねー?肩外れたから直したいんだけど」

(どういうぶつけ方して両肩外れるなんてことになるんだ)

俺自身で自分にツッコミをいれながら肩を無理矢理回して直した。

女生徒が手首を隠していたのが気になりいきなり手をつかみじっと見てみるといくつかの切り傷があった、傷後からしてカッターナイフだろういくつか切ってあるがどれも血管まで届かず出血多量で死ぬことはなかったのだろう。

「はぁー、放課後俺の所来い話がある」

「は、はい」

話していると唯が駆けつけてきた。

「大輝くん大丈夫だった?」

「足がいまだにしびれてるのとさっきまで両肩外れてた以外に問題はないけども。

あと、近藤だっけかお前保健室で休め午後の授業は休んで良いから」

「小川です小川菜央」

「だめだ名前が覚えられない」

「それは大輝くんの記憶力の問題だよ」

「残念ながら否定はしない」

「二回目だからね」

「回数は関係ないのだよワトソンくん、それより唯ちゃんこいつ保健室つれてってくれなんなら唯ちゃんも午後の授業サボっていいぞ」

「つれてはいくけど私は授業さぼらないからね」

「そうですか、真面目で何より」

本当のところ五、六時間目は唯が居ない方が都合が良かったのだが本人がサボりの権利を与えられても使わないならしょうがない。



-十分後2年2組教室-

「校長から許可をもらったんだが、今日から午後の授業はろくなことやらないから俺に文句あるやつとか興味のないやつは帰って良いぞ?

早退にはならないし成績にも影響ないなしだ自分の好きなように好きにしてくれ」

その言葉を起点に唯、朝に会った風紀員その他3名以外は全員帰ってしまった。

そしてその3名はこのくそ暑い七月に菜央と同じく長袖を着ているメンバーだった。

(三人全員とは行かずとも一人二人は小川と同じように自殺願望のある人間がいるかもしれないんだよな)

「んー予想はしてたけど全員は残らないか」

最悪唯一人が残るっていうのも想定はしていたのだがそこまで酷くなくて安心し胸をなで下ろした。

「んじゃ、さっさとやることやろっか五人ともあの、真ん中の方の席きて」

平均してはじの方に座っているメンバーだったので真ん中の席に移動しろと言ったつもりだったのだが真ん中の方の席には移動したがまばらに集まっていた。

「それでなにをするんですか?学業に関係ないなら私も帰らせていただきますが」

「まぁようは今日の予習だお前ら以外の不良どもを更生させるのは不可能とみた。

だからお前らの成績アップに専念するつもりだ」

「え、勉強なら私は帰ろうかなー?」

荷物をまとめて帰ろうとしている唯を横目に目で威圧すると唯は手を止めた。

俺自身勉強なんて大っ嫌いだがなにぶん自分でやるよりは教える方が得意なんだからしょうがない。

「こう見えてもおれはしっかりと教員免許も持ってるし飛び級ながらも東大卒業してるから安心してくれ。

とりあえずこれやってくれ二時間で四教科四枚計二百問十枚一教科十枚あって全部問題ちがうからすきなのやってくれ」


-1時間後-

まずい、非常にまずいわざと問題を難しくして教えてくださいって言われたときに行ってすっと腕を確認するつもりがなんでだ唯以外からのヘルプは一切なかった。

もう呼ばれるのが唯だけとわかると唯を教えるために移動した席から動くことすらめんどくさくなり机に額をつけ動かなくなるという始末だった。

「もういいや、しけた金額もらって平穏な一ヶ月を過ごそうこのまま面倒事がなければたとえ三十万でも黒字だからな~」

「大輝くん自分から行ってみれば良いんじゃないのかな?」

「唯ちゃん俺ね?もう今日すでに朝の挨拶はしかとされるわ帰って良いって言ったら五人しか残らないわあげくの果てには昼間の騒動でほとんどの人間に白い目でみられるわで心身ともに重傷なんだよ?」

そうなのである、昼休み小川という女生徒を助けた後着替える為にチョーカーはあるが一応形だけでも更衣室に向かい着替えたのだがその後職員室に向かうと朝の歓迎ムードとは一転全員から白い目を向けられるという状況にあったのである。

「でも、すぐに結果を求めるのもどうかと思うけどな」

「俺には一ヶ月しかないんだけどな」

「あ、来週からの修学旅行なら距離が縮まるんじゃないかな」

「へ?修学旅行・・・」

「知らなかったの?来週の日曜から二泊三日で京都に」

「最近の私立高校は沖縄とか海外とかじゃないのね」

そこじゃないだろ、と自分でもツッコめる所だったがその疑問には唯がわかりやすく答えてくれた。

「二年生だからあと他のクラスは沖縄とか北海道とからしいけどうちのクラスは人数少ないし学校側もそこまでやりたがらないみたいで」

「わっっっかりやすい差別だなんまぁ問題だらけのこのクラスじゃしゃーないか」

「うん、そうだね」

なんとなく唯が悲しそうな顔をしていた、多分唯もこのクラスの異常さには薄々気づいているのだろう自殺願望者がいるクラスなら全国には珍しくないそれが、一人なら。

しかしこのクラスには少なくとも、数名はいるなんらかの理由で生きるのに絶望した女生徒達が、教員の朝の異常なまでの歓迎ムードそれから生徒を助けた事で一変した教員の態度いったいこの学校でなにが起こっているのか起ころうとしているのかそれをまだ俺は知ることも疑うこともなかった。


-あとがき-

今回からは戦闘少なめになるかもそもそも今編は戦闘系いれないかもw

たまにはこういうのもいいかなっと思っています。

皆さんお気づきの方もいらっしゃいますかと思いますが(いや、そもそも見てる人が・・・)今編ヒロイン(仮)の草野唯ちゃんは一応モデルがいます、VRゲームってとこと名前のとこで気づいた人いるんじゃないかな?

もともと今作はそもそも私のインタールードのみの作風はみなさんのしってそうなアニメなどのキャラ及びストーリーを主人公の参加でめちゃくちゃにしようってのが小学生時代書いてた頃の発想なんですよもちろんそのまま転用してるだけなので作風が変わることは天地がひっくり返ってもありません!(キリッ

まだまだ反転途上ではありますがとことん付き合ってくれるなら付き合ってください読者のみなさま!目指せ一兆PV!(絶対むりだ)

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