第二節:世界に恐れられた男の代償

再会


-次の日学校の体育館-

相変わらず学校でぼーっとしている大輝にはいつも以上に無駄な時間だった、朝の朝会の校長の長話はなんの為にあるのだろう、そう思いながら校長のヅラを風魔法で飛ばす遊びをしていた。

ヅラがなかなか取れず少し風量を上げてあと一歩でヅラが取れるというところで、その遊びは右腕がチェーンソーで左腕がマシンガンのロボットに邪魔された。

ロボットが壁を壊し侵入してきた所からとんだ壁の破片は一部の生徒に当たり、怪我をしていたり下敷きになっている者もいた。

「全員避難するんだ外に出ろ」

一人の先生が外へ生徒を誘導したが大輝がそれを止めた。

「全員外じゃなく校内に逃げろ又は校庭だ」

(校庭は外だけどな)

その声を聞いて校内に逃げる者と校庭へ逃げる者の二つに分かれた、ほとんどが校庭へ出ていたが吉とでるか凶とでるかはわからなかった。

「ミスティ、アリスお前らは校内の方にいけ、おれはこいつと外にいる奴を片付ける。

ミスティもしも命の危険を感じたら魔法使っていいぞ」

「わかった」

「わかりました」

大輝の指示を聞いた二人はそういい校内へ走った。

(ミスティさんは大輝さんがアメリカに行ってる頃に、研修の先生として偽装して学校へ通っています。)

(見る限り耐電装甲かライトニングスピアはなしか、スカイブロックも一工夫しないと装甲貫通しなそうだな、よしあれを試してみるか)

こそこそと勝つ術を考えていると殺人ロボット君(仮)が、右手のチェーンソーをぶんぶん振り回しながら突っ込んできた。

「なにあれ、俺当たったら死ねるやつじゃね、バ◯オハ◯ードならワンパンのやつじゃね!?」

大輝はロボットの頭部部分の上に飛び乗り、それを踏み台にして体育館の二階部分へと飛び移った、中に入って普段は剣道に使っている竹刀を一本手に取り殺人ロボット君(仮)の前へと戻った。

大輝は竹刀を上に放り投げて魔法を発動した。

【物質変換魔法:バーダートレード】

投げられた竹刀は魔法によって刀へと変わり大輝はそれを手でキャッチした。

(魔法説明! バーダートレードはその名の通り物々交換ができるものである、使用者の中で対等だと思える者はたとえ石ころでさえも変換する事ができるのだ! 。ちなみに本当のところは万物交換とか対等交換とかを英語にして出そうと思ったんだけど、筆者は漢字と同じく英語もろくにできないので少々多めに見てください)

刀へと変換させた大輝は間髪入れず追加補強でエンチャントを付けた。

【エンチャント:火属性、鋭化、耐久力強化】

両手で掴んだ刀は刀身が燃え盛った。

哲はさらに魔法により剣にまとう炎を強化した。

【魔導刀フレアサウザンド】

「焼き尽くせ!」

剣を一振りしただけで舞っていった炎は殺人ロボット君(仮)へと絡みつき跡形もなく融解していった。

「解除っ」

そういうと剣に付与されていたエンチャントは全て解け、ついでに剣も折れた。

「耐久力強化取ったら折れたかやっぱりオルコン製の剣じゃないと今の俺には無理そうだな」

独り言をぶつぶつと言っていると後ろから足音がした、振り返るとそこにはナイフを持った黒ずくめの男の姿があった。

「今日は死にかけるの覚悟しとくか」

大輝は拳銃を手元に出し目の前の男に銃を構えた。

カツン、カツンと音を立てて歩いてくる男に大輝は飛びかかろうとしたが、それを止めるように男が手を出しかぶっていた帽子を外した。

「久しぶりだな、大輝」

「その顔は、富田、富田祐揮か?」

「そうだよ二年ぶりだな」

「まじかよトミーよく来たなこんな最悪なタイミングで」

「同業者で幼なじみの俺が帰ってくるのにタイミングなんて関係ないからな」

「悪いけどもう、同業者じゃないぜ俺は殺し屋を拡大したからな」

「相変わらず騒がしくて忙しいやつだな」

親友同士の再会を二人が楽しんでいると天井が崩れ落ち、そこから警察の特殊部隊隊員が降下してきた。

哲とトミーは急いで壁に隠れた。

「外の状況はどうだった?」

「警察と自衛隊がいた兵器に関しては日本の物じゃないな」

「やつらの狙いは俺達又は俺か」

「百パーセントお前だな」

「マジかよそれ」

「正面を片付けよう俺は近接だ援護しろよ」

「りょーかい」

拳銃を握り直した大輝は壁から顔を出して拳銃を一発発砲して自分に注意をそらしつつ、一人ずつ発砲して来た順に特殊部隊隊員の持っているカービンライフルの銃口に弾丸を撃ち込み銃を破壊していった。

その間にトミーの攻撃により一人ずつ首をナイフで切られもがきながら、倒れていくというのを繰り返し降下してきた特殊部隊は撃破した。

二人は向かい合ってグータッチをしていた。

「相変わらずあほみたいな射撃能力だな」

「相変わらず足音1つ立てない忍び足だな」

二人は懐かしむように笑い合っていた。


-同時刻のアリスとミスティ-

校内のとある教室、そこに校内へ逃げた生徒達は集められていた当然アリスとミスティも例外ではなかった。

部屋の中警備は二人、二人ともAKB(どこのアイドルだよ)あっ、ちがったAKを装備していたが手を縛られていなければミスティでも撃退できるレベルだった。

突然コール音が鳴り響いた敵兵に無線が入ったようだった。

〔降下部隊が先ほど全滅した、先行突入したRU-M1も破壊されたようだ最終手段に人質を使う、女を二人連れてこい後は殺しても構わない〕

「了解しました、しかしよろしいんですか?民間人を殺しても」

〔安心しろ作戦中の不幸な事故で死んだことにすればいい〕

「・・・・りょうかいしました」

兵士は無線を切ると肩に無線をかけ直し、部屋の外を見張っていた三人を室内へといれさせた。

「無線は聞いたな三人で人質をボスのところまで連れて行き、残りの二人は残りの処分をしろ」

「「「はっ!!」」」

「そこの女二人こっちへ来い」

そう言われてアリスと一人の女生徒が連れて行かれた。

残りの兵士二人がミスティを含めた全員に銃を向け構え、引き金を引く体制に入っていた。

(大輝さん助けてっ!)

そんなミスティの願いは届くことなく引き金は引かれようとしていたが突然、壁が崩れた。

「呼ばれてなくてもじゃじゃじゃじゃーん」

そこからは壁をハイテンションで蹴り飛ばしている大輝が出てきた。

「正義のヒーロー参上! あ、よくよく考えたら俺は正義じゃなくて悪のほうか」

「この野郎っ、ふざけやがって」

【氷魔法:ガンフローズン】

どうでもいいけどフローズンヨーグルトが食べたい。

兵士が銃を放つが弾は出ない、大輝の蹴り飛ばした壁の下敷きになってる一名、そして今必死に引き金を引いてる奴一名。

大輝は二人を凍らせて砕いた、体の中まで凍っていた兵士はいともたやすく砕け散った。

「大輝さん助けに来てくれたんですね」

「おかげで正体ばれて商売あがったりだけどなこうなったらやけくそだ全滅させてやる。

それよりアリスはどこいった?」

「一人の生徒と一緒に連れて行かれました人質だって」

「ならいいや、下にはトミーがいるし」

「誰ですか、それ」

「幼なじみ、とりあえずミスティは裏から学校を出ろこの辺の生徒と一緒にな」

「わかりました」


ーいっぽうその頃二階にいる富田さんはー

「誰もいねぇ人の影所か足音一つ聞こえてこねぇ」

校内に階段は二つ正面階段と離れの教室の方にある階段。

俺は離れのつまり二つ目の階段に向かい足を進めた、階段を降り一階に着くと普段pc室として使われている部屋から声が聞こえた一人の男の声と女の声だった。

悲鳴が聞こえたので中に入るとそこにはレ◯プされかけのアリスの姿があった。


ー少し前のアリスー

アリスはもう一人の女生徒とは話され一人の兵士に別の場所へと連れて行かれた。

部屋に着くと拘束を解かれることなく床に軽く押し倒された。

「せっかくの上玉だ食べといて損はねーぜ」

少々省略して兵士が服を引っ剥がすと同時アリスが悲鳴をあげそこへトミーが入ってきた。

「あ、すいません間違えましたそれでは」

部屋を出て行こうとしたトミーに向かいアリスが。

「助けなさいよ!!」

「いやだよめんどくさいお前の王子様が迎えに来るのまっとけ処女」

「逃がすわけねーだろが」

兵士が発砲していたがトミーはナイフ一本しか持ってないため反撃は出来なかった、いくつか弾がかすったがトミーは気にせず。

「逃げるんだよぉー」

と逃げて行ったトミーは直後首元を大輝に捕まれて転んだ。

「安心しろトミー今のは事故だ」

「事故じゃねーよ立派なヒューマンエラーじゃねーかこの野郎」

「事故だよ事故、てかお前それよりいつもの弾丸もいともたやすく切れるナイフどうしたんだよ」

「いまさらかよ、それならな盗まれた」

「は?」

「昨日の事だ俺はこっちに帰る途中一度ホテルに泊まったんだが、部屋に入るとベッドの上に『召し上がれ』って言ってる若い可愛い女がいてよそのままベッドでいちゃついて朝になったらナイフと財布もって女が消えてた。」

「マジかアホすぎる少しは疑えよな。」

「誰だって自室に無防備な女の子がいたら襲うだろ? 、誰だってそうする俺は襲わなかったけどいつの間にか落ちてたし」

「人としてのお前を信用した俺が馬鹿だった、お前の人間の基本道徳ってわかる? 、クソ童貞お前みたいなこじらせ野郎がいるから俺みたいな堅実派オタクが迷惑するだよ」

「お前も童貞だろこの野郎てめえ人にそういう事言うくせに、彼女いない歴=年齢だろなにいってんだよ」

大輝とトミーがケンカしてるのを今にもブチ切れそうな奴がいたが、二人は気にせずケンカを続けた。

「うるせーな俺は好みのタイプが芸能人レベルしかいねーんだよ」

「無駄な理想抱いてるんじゃねーよこの野郎お前こそそれだから彼女が出来ないんだろ?」

「うるせえな富や名声より、愛だぜ(キリッ。」

「お前らいい加減にしろやがれぇー」

「「うっせぇ黙れレ◯プ趣味の変態くず野郎」」

「まあいいや、痴話げんかは後でするとしてこいつ格好縛りで縛り上げるぞ」

そういいながら大輝はトミーに長い長いロープを手渡した。

「俺は大人しくここで援護するからw」

「わかったわかった行ってきてやるよ」

そう言ってトミーが縄をしっかり持った次の瞬間、一瞬で敵兵は縛り上げられた。

「よっしゃ、尋問(拷問)開始だ。」

そういいながら大輝はアリスの手枷を解いた。

「てかお前さっきのなんだよなにが富や名声より愛だぜ(キリッ、だよこの野郎なにがキリッっだこの野郎アニメの見過ぎだろうが。」

「アニメじゃねーしヨウツベだし、それに最近はどたばたしててそれどころじゃなかったんだよ。お前こそなにが『召し上がれ』だよこの野郎お前こそその手のAV見過ぎなんだよ」

「馬鹿野郎AVじゃなくて同人誌だよ」

「こまけぇことうるせーな」

トミーがきっかけで再び言い合いの恥の上塗りが始まったがその行動は延長することなくアリスの「フフッ」という笑い声によって止められた。

「二人とも仲がいいのね、いいコンビじゃない」

「「どこがだよお前の目は節穴か!?」」

「そういう所が、よ」

その言葉に二人は反論する事はなく兵士(捕虜と成り果てた)をその場に放置して三人で部屋からでた。

アリスの制服のシャツはボタンごと破れてしまっていた、そこで大輝が(紳士なのかただ目のやり場に困っているのか)自分の着ていた制服の上衣を投げ渡した。

「それ着とけ、童貞のトミーが発情するから」

「うん」

「俺がそんなことするかー!」とトミーが騒いでたが気にしない(キリッ。

渡り廊下から外へ出るとそこには五台ほどのさっき戦った殺人ロボット君(仮)と警察の特殊部隊及び自衛隊の方々三百人程と人質(校庭方面へ逃げたほとんどの生徒達)が見えた。

「あの数を相手にするのはちょっと面倒だな」

トミーの弱音が聞こえた。

「トミー、今ナイフもってねーよな?」

「さっきいったろ。」

「ならさっさとアリスと一緒に逃げろ」

「は? ふざけんな俺も戦うぜ」

「殺し屋の仕事じゃねーだろ? 、ここからは戦争屋の仕事だそれに降りかかった火の粉の火をつけたのは俺みたいだしな」

「わかったじゃあこのお嬢様を連れてく代わりに後で報酬もらうかんな」

「好きにしろまあ、俺が生きてたらの話だけどな」

トミーがアリスをお姫様抱っこし飛び去って行ったのを確認し手元に竹刀を出した。

それを刀に変える作業を素早く済まし大輝は堂々と敵の懐へと歩き進むのだった。




ーあとがきー

今話も見ていただきありがとうございます。

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