兵器の正体
着々と敵を排除して内部に侵入すると無線が入った。
無線はプレイボーイ伍長からだった。
〔軍曹殿こっちは内部に侵入しましたそっちはどうですか〕
「こっちも中に入った隊長副隊長と一緒にいるのか」
〔こっちも二人とは一緒にいない連絡がつかないとこまるだがなとりあえずお互いに敵の司令部に向かうルートは一つだ座標を端末に送るそこで合流しよう〕
「了解だチェリーボーイ伍長」
無線を切り端末を見ると話していたポイントが表示された1階のメインゲートそこにポイントは印されていた。
一つずつ部屋を回るとリモコン式のRPGがあったそれを持ちまた移動していると、通路に三人の人影が一人はマントをかぶっていてもう一人は義手の男、最後の一人を確認するまえに三人組は消えてしまった。
人影を追おうとすると再び無線が入ったこんどは本部からだった。
〔こちら本部マイケル少佐を含め全員と連絡がとれました、ハウンドはそのまま作戦を遂行してください〕
「了解」
先ほど交信したプレイボーイ以外の隊員つまり隊長副隊長も連絡がとれたらしい。
それを聞いてほっとした、通信のおかげで先ほどみた三人組を追うことはできなかったがプレイボーイとの合流地点までは着いた。
合流地点にプレイボーイはもうついていた。
「チェリーボーイなにか異常はあったか?」
「いや、見つからなかったぞ、それよりおれはプレイボーイだっ!」
「異常がないならいい先に進もう」
プレイボーイの文句は無視して先に進んだ、プレイボーイは降下時に武器を落としたということはなく全部の装備が揃っていた。
慎重に進みメインゲートに着くとドアは開かなかったカードキー式のロックがされていたからだ。
「ハッキングはできないな、これでは先に進めないではないか!」
「そこにダクトがあるそこから入れるだろう」
哲はそういいながらダクトを指さした。
「そうだなそうしよう」
ダクトの中の暗闇を抜けるとその先は大きな格納庫だった、ダクトを登っていたため二階にあがっていた1階の方から拷問のような怒鳴り声と殴れている様な声も聞こえた。
プレイボーイが出てきたのを確認して壁に隠れながら1階の景色を覗いた、そこにいたのは拷問している隊長とされている副隊長だった。
哲は手と口パクの身振り手振りでプレイボーイと会話した。
「あれは隊長と副隊長だな、どういうことだと思う?チェリーボーイ」
「最悪のことを考えるとどっちかが裏切ったってことだろう!」
「状況からして隊長の方じゃないか?」
「それはわからん!」
二人の会話内容は聞こえなかったがマイケルはレイモンドの腹部に一発撃ち、去って行った。
「隊長、じゃないなマイケルがここからでたら副隊長を助けるぞ」
「わかった!」
マイケルが部屋を出た瞬間に柵を跳び越え下に飛びレイモンドの元へ走った。
腹部の弾丸は腹部を貫通していた止血しても血が止まらない、その上拷問中に受けたのかそこら中に打撲跡がありレイモンドの体力は戻ることはなく衰弱していく一方だった。
「マイケルの目的はなんだなぜ仲間のあんたを裏切ったんだ!」
「あ、あいつと私はこの国のスパイだったんだでも私がやつに、この計画は軍曹に必ず止められると言ったんだ、そしたらこの有様さ」
「待ってくれ二人とも、ってことは少佐も曹長も裏切り者でアメリカ攻撃側の人間だっていうのか!?」
「あぁ、そうらしいなでも、敵が誰でもやつを倒して俺は、俺たちはこいつらの計画を止めなきゃならないことに代わりはない」
状況についていけないプレイボーイ、そして裏切り者のマイケル、マイケルと共謀していたスパイのレイモンド。
結果的に残りは三人哲とプレイボーイの二人はアメリカ側の人間、マイケルはアメリカを裏切り亡命した人間だった、レイモンドとマイケルの言い争いの内容は聞いていないが、マイケルがレイモンドを裏切り者として撃ったに違いない。
あと何人敵がいて兵器がなんなのか、それを突き止めるのが哲の中で最優先されるべき事項だった。
「あんたが死ぬ前に聞きたいこの基地で核攻撃に使われる兵器はなんなんだ、この軍隊を誰が操っているんだ」
「操っているのはマイケルを含む4人の幹部一人はもう死んでいる、彼の名前はウルフ」
哲の聞いたことのある名だった、フランスでロシアの部隊と共に襲撃してきたナイフ使い、哲がアメリカの犬に成り下がったと言っていた人物であった。
「そして、もう一人は私、最期の一人はリキッド・アルステオ、彼が指揮権全てを握っている」
指揮権をもつ人間リキッドそいつが軍隊を率いてアメリカを核攻撃しようとしている張本人だと思われる、4人の幹部その2人がアメリカ内部にスパイとして潜入していたという事実自体驚きなのだが、残りの二人の片方は自分を消しかけに来たという事実すら存在するのである。
「この基地で作られている、兵器は、核兵器なんかじゃないそれよりもっと、きけんなものだから、あなたに止めてほしい、この、国を含めアメリカも地球も、傷つけてはいけない、、、」
その言葉を最後にレイモンドは息を引き取った、この国のためアメリカのためにその兵器の使用を止めてほしいという強い意志を哲に伝え息を引き取ったのだった。
核兵器より危険な兵器、その兵器を破壊しなければ地球すら危険に犯されるという意味だったのだろうか、レイモンドのことばの意味自体よく理解はできなかった、兵器そのものが何のために作られたのかそらすらわからない、結果的にアメリカに雇われここにいるがそれがなければ哲はなにも知らず兵器を使用されていたかもしれないのだ。
国が滅び世界が滅ぶかもしれないなんてそんなことさせていいはずがない。
「行こう兵器を突き止めて破壊するんだ使用させちゃいけない、何故かそんな気がする」
プレイボーイの言葉を聞き曹長に向かい軽く手を合わせて拝み、マイケルの進んでいった扉に向かい歩いた。
「兵器の使用させるわけにはどうやらいかなそうだな、使われたら俺たちもろとも国ごと消されなきゃいいが」
扉をハッキングして開けると中には見たことも聞いたこともないような液体の入った機械とそれを実験する研究者の姿が見えた。
「どうだね、素晴らしいものだろう使用する前の用途のわからない兵器を見るというのは」
慌てて進行方向に銃を向けるとそこには裏切り者のマイケルがいた。
「君たちはよくやったもうこれ以上、することはない君たちは大人しく独房で死を待つといいこの兵器が使用されればこの国はおろか南アメリカも含め全土が無に帰る、君達も一緒にな」
「断る、おれはお前を止めてこの国から無事帰還させてもらう、雇われ傭兵が死ぬには舞台が大きすぎるぜ」
「ふっ、ならば相棒から先に死んでもらおうか」
マイケルがそういった瞬間マイケルはプレイボーイに向かって銃を発砲していた。
弾丸が命中したプレイボーイは意識を失うように膝をつき倒れていった。
「プレイボーイ!」
「ハウンド、貴様にはなにも守れないのだよ本当に守る物がないものに他人の守る物など守れるはずがない」
「今のおれに守る物なんて必要ない、いまはお前を殺す力だけがあればいい!」
その言葉を聞いたマイケルは高笑いしながら走って奥の扉へ向かい走って行った。
哲は後を追いかけて奥の部屋へと進むとそこは障害物のない開けた場所だった。
「どうだハウンド貴様と決着をつけるにはちょうどいい場所だろう」
「悪いな、裏切り者にはさっさと死んでもらうのが一番良さそうだ抵抗される間もなくさっさとな」
哲は銃を構えマイケルに向かい突きつけた、それと同時にオリジナル魔法の1種である時空を止める魔法を使用した。
【時空魔法:ストップ・ザ・ワールド】
大雑把な範囲設定のため世界が対象になるが自分と自分の触れた物以外を止めることができる、魔力消費は範囲が世界広いため消費が多いが使えると便利な魔法これもよからぬことに使うために作った魔法だった。
頭と心臓、首の二カ所を狙い撃った弾丸は外れることなく命中した。
「解除」
そう唱えると魔法が解除され、マイケルは一言も言葉を発することなく倒れた。
「あんたの場合は国を裏切ったわけじゃないが平然と仲間を殺せるクズには似合う死に方だぜ」
マイケルに放った二発で弾のなくなったマグナムをすて哲は奥の部屋へと進んだ。
次の部屋へと移ろうとすると本部から通信が入ってきた。
〔ハウンド、他の三人の生体反応が消えましたなにか異常がありましたか?〕
「異常っちゃー異常だな、マイケル少佐及びレイモンド曹長は敵のスパイだった曹長は少佐ともめて少佐に射殺されたらしい、プレイボーイも同じくやつに殺された」
〔少佐はどうなったんですか?〕
「おれが殺した」
〔わかりました、報告ありがとうございます〕
二人が裏切ったということが信じられないのか、アマンダの口調はすこし煮え切らない言葉の返しだった。
すくなくともあと一人そいつを倒さなければ兵器は止められない。
通路をすこし進むと再び別の部屋へとつながった。
中には白髪のサングラスをかけた男がいた。
「お前がリキッドか」
「そうだったらどうする兄弟、私を殺すかのか?」
「あったこともない人間に兄弟呼ばわりされる義理はないんだがな」
「私をとめても兵器はとまらんよこれは大いなる意志の造形だ、どうしても私を倒したいのなら私をとめてみろ!!」
凄まじい覇気とともに体当たりしてきたリキッドをよけ殴り掛かった哲だったがその拳は届く事なくリキッドによるカウンターを受けてしまった。
「大いなる意志に刃向かうというのは運命に逆らうということ運命に逆らった人間は死ぬしかないのだよ」
殴られた痛みを堪えていた哲の首を掴み持ち上げたリキッドはそう叫びながら哲を壁に叩きつけた。
壁に叩きつけられた哲に追い打ちをかけるように腹部へ一発、そして顔にむかい一発リキッドはパンチを入れた。
「俺は運命なんて信じない、自分の道は自分で決める、そうやって生きてきたんだ!」
哲はそういい、リキッドに体当たりして壁に叩きつけ返した。
顔を二発なぐり床に叩きつけ倒したリキッドの腹部に一撃を食らわせた。
リキッドが膝をつけ立ち上がろうとしていた矢先、立ち上がる前にリキッドの顔面に哲は膝蹴りをいれた。
「運命に逆らった人間は死ぬ? なら俺は命がいくつあっても足りてねーんだよ」
とどめといわんばかりに哲は倒れ込んだ、リキッドに向かって飛び上がり腹部に膝蹴りを入れ馬乗りになり顔を手の皮が剥けるまでなぐり続けた。
数十発殴ったあと手を上げた哲を止めるかのように警報がなった。
〔間もなく合成を開始兵器を起動させます〕
「なんだと」
驚く哲にリキッドは高笑いを始めた。
哲にむかい哲は再びなぐり出し無理矢理にでも兵器の停止方法を聞き出そうとした。
「こたえろリキッドどうしたら兵器は止まるどうしたらこの国をアメリカを助けられるんだ」
「いいことを、教えてやろうあの兵器は液体同士を組み合わせ科学反応を起こすことで起動する、そしてその液体は可燃性だ液体が完全に混ざりきるまでに全て燃やし尽くせばお前の勝ちだ、、、、さらばだ」
リキッドは持っていた拳銃で自分の頭を撃ち抜き自殺した、兵器を哲が止められると確信して自殺したのか、それとも兵器を止めるのは不可能だと思い起動する前に自殺したのかそれはわからなかったが哲に考えてる時間はなかった。
リキッドの銃を掴み少し前の通路へと戻ったプレイボーイの遺体がある液体の見える通路へと。
たのむ! 世界を救うためだ撃ててくれよ。
銃がIDロックされていない事だけをいのり哲は引き金を引いた、だが撃つ事はできず弾丸が放たれることはなかった。
「なんで、なんでだよ撃たせてくれよ今撃たなきゃ遅いんだよ」
そう言い放った哲は諦めきって床に腰を下ろしてしまった全てを諦めたかのように。
すると突然どこからか声が聞こえた。
「お前の力はそんな物じゃない、いままでなにを教わってきたお前は人だ火をおこすことはできる」
その言葉を聞いた哲は思い出したつい先日自分がいた場所をさっき自分がつかった科学では証明できない力を。
【火炎竜】
哲がそう唱えると液体の入った容器はたちまち燃え盛り一滴残らず蒸発した。
一体今のこえは誰の声で誰の言葉だったのだろう聞いたことのないその声は一体何だったのだろうそれがなににしろ諦めていた自分を助けてくれたのはその声の主だったという事実だけがわかった。
「こちら、ハウンド敵の兵器を破壊これで攻撃はなくなる、これより帰投する」
〔了解、軍曹おつかれさまでしたすぐにヘリを向かわせます〕
「助かる」
哲がヘリで基地を脱出すると基地は火の海になっていたあの液体は可燃性どころか火を強める効果すらあったらしい。
ともかくアメリカを含め周囲の国は一人の男によって救われたのだった。
ペンタゴンに戻ると今度は大統領も含め全員が揃っていた。
「軍曹、今回のミッションは成功を心から歓迎しようそして無念にも散っていた仲間達のためにもこの国を救ってくれたことに感謝して、我が国の大統領、パスタ大統領からお礼と感謝の意をこめて話があるそうだ」
そう言われて大統領の前につれられると大統領が握手を求めてきた。
そして大統領と握手ながらお礼を言われた。
「この国をアメリカを救ってくれてありがとう、君にはこの国の兵士として活動できる権限とシルバースターを与えよう、本当にこの国を救ってくれてありがとう。
それでは諸君この国の英雄と英雄とともに戦った兵士に敬意を示し敬礼っ!」
その場にいた大統領を含め首脳は哲と哲とともに戦った兵士のために敬礼をした、もちろんその場にいた哲もプレイボーイに敬意を表して敬礼していた。
-あとがき-
みなさんおはこんばんにちは!へこんだ箱丸です。
わたくしごとではありますがつい最近彼女が、、、できるはずもなく相変わらずマイペースに投稿しています昨日、今日と(9月19と20)これからの投稿内容について具体的に考えていました。
僕自身計画を練っても無視することがおおいのであれですが笑。
次回はいよいよ哲君の過去についてそして悲しいお別れのお話を二話から三話完結予定で書いていきますそれではまたみてくださいね!
アディオイスターソース
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