新しい嫌な同居人


三時半に図書館に向かうと、流石にまだ新しい同居人らしき人物は来ていなかった。

てか、いまどき目印がピンクのストラップとか、女子かよ!? いやものすごいインパクトのストラップとか、思い入れの強い物とか。

なんだかんだ考えている間にいつの間にか眠っていた。

視線を感じて目を開けるとそこには見たことのある人物がいた、嫌いなタイプ人間、出来れば一生関わりたくはないくらいだ。


「あなたは、確か隣の席の」


やはり、隣の席の留学生さんの同居を断りたい。


「気のせいか見間違えじゃないですかね、俺としては見間違えがいいなー。俺は今時女子っぽいものを目印にしてる新たな同居人を待っているので、それでは!」


手を振りながら逃げた。


「それ、私よ」


本日嫌な予感の二つ目が的中した。


「あっそうなんだ、じゃあ勝手について来て」

「あなた、朝もそうだけど何なのその態度私がなにかした?」


アリスは我慢できなかったのか、しびれをきらせて問いかけてきた。


「なにもしてないでしょ? 自覚ないならそれに、俺が毛嫌いしてるだけだから気にしないで、俺人にうそつけないんだわ」


アリスに反論させないつもりで放った言葉だったが効果は薄いようだった。


「嫌いよ、あなたみたいな人」

「褒め言葉、として受け取っておくぜ」


俺達は家へと向かった、向かう途中少しばかし気になった話をした。


「にしても、お前の家族も過保護だよな、いちいち保護依頼だすなんて」


素朴な質問を本人に問いかけた、本人はしらないかも知れないが。


「え? それってどういうことなの」


やっぱり本人には知らされてなかったか。


「私、家族なんていないわよ」

「は?」


どういうことなのか、よく意味がわからなかった。


「二ヶ月前に家が火事になって、家族が私以外死んじゃったのよ、それで私は両親の遺産で日本へ来たの」


何というかたくましい女の子だなぁ。


「じゃあ、一体依頼は誰からなんだろうな」


さぁ、とアリスはそういい払った。


「この先にコンビニがあるから先に行ってそこで待っててくれないか? ちょっと忘れ物しちゃったわ、取りに行くからそれじゃ!」


アリスは呆れた顔で今聞いたコンビニへ向かった、俺はその後ろ姿を目で見送った。

携帯を取り出し神城さんへ電話を掛けた。


「神城さん大変ですよ、依頼主ですがなりすましかもしれません」

〔あぁその件か俺も気になって調べたが依頼主もう死んでるな〕

「嫌な予感がするので木崎さんに拳銃使用しますって、言っといてください」

〔お前なあ、自分でい――〕

「さっ、後を追うか」



アリスは言われたコンビニの外に待っていた。


「ねぇーちゃん俺達と遊ばなーい?」


突然後ろから三人組の男に話し掛けられた。


「すいません、知り合いと待ち合わせているので」


いいじゃねーかよ、とその言葉と同時にアリスは腕を掴まれた。


「嫌がってる女の子を強引に従わせようとするのはよくないなー。あと、中学生は犯罪だよ?」

「なんだてめぇ」


男が振り返るより先に男の顎に銃口を突き付けていた。


「動かない方が身のためだよ?」

「玩具の銃で脅したつもりか? 人を脅す時はナイフの方がいいぜ」

「玩具かどうか自分の頭で試してみる? 楽にいけるよ?」


脅しではあったが、効果があり三人組は逃げた。


「それ、本物なの?」

「さーね」


拳銃を指で回しながらそっけなく答えた。

もちろん本物だ、MSシリーズの俺の銃だ常に携帯している。


「ゼロカスタムのビンテージピストル、やはりあなたが日本一と呼ばれる『殺し屋』ですか」


白いバンの上に一人の男が立っていた。


「最近のイケメンはマナーと常識がなっとらんなー逮捕されろよ、イケメンは重罪だぞこら」


一度でいいから可愛いアイドルか女優に警察服で逮捕しちゃうぞ! とか言われたいよな男の夢だろ。

(注:あくまでも個人の感想です) 


「お兄ちゃん?」

「久しぶりだなアリス、元気にしていたか?」


えっ、なになにあいつ兄貴いたの? てか家族は火事で死んだんじゃないの。

完全に置いてかれた感がハンパなかった。


「お兄ちゃんなんで、生きてるの、、」

「父さんや母さんを殺したのは僕だよ、そこの男のようにね、僕も同業者なんだよ柊 哲くんいや、和田 大輝と言った方が良かったかい?」


和田大輝? 聞き覚えも身に覚えもない名前だ。



「なんのことだか、話をきくかぎりあんたが依頼主ってことか」

(注:普通の人はわかりません普通なら)

「よくわかったね、君と戦う為のした準備だよ」

「じゃあ、私もなの、、」

「君は用済みだ」


アリスに向かい銃口を向けていた、引き金に指が掛かり銃声がした。


「させるかよ」


と、俺はアリスを押しとばし身代わりになった。

左腕に弾丸が当たり痛みが走った。


「あなたが人をかばうとは意外ですね、噂とは違うようで」


そういい放ちアリスの兄と名乗る人物はバンの上から降りてきた。


「どんな噂があるかはともかく、俺は嫌いな奴でも女が傷つくのはいやなんでね。だが、今回は頭にきた、ふざけるなよ俺はおまえに用はない。だが、お前は俺の逆鱗に触れた」


銃を構え直した。


「後悔したって遅いぜ、後悔するならあの世でしな」


勝てるかどうかそれはわからないが、俺の仁義に反する奴はゆるさん。


「アリス、大人しくしてろよ」


哲はイケメンの足に銃を放ち人気のないところへ向かい走った。


「俺が目的ならついてこい」


ねらいどうりついてきたが、完全に発砲されている。

十分程走っただろうか、今は使われていない学校へついた。


「一応僕の名前を教えておきましょう」

「イケメンの名前なんか興味ないんだがな」


(注:作者の個人的な意見です。女性の皆さんは聞いた方が得ですよ多分)

(筆者:ちなみに名前出すタイミングここしかなかった、小説書くのって難しい)


「クリスといいます以後お見知りおきを」

「どうせ死ぬんだ聞かなくてもいいだろ」


どちらかが死ぬかはわからないが、どちらが死んでも名前なんかどうでもいいのだ。


「死ぬのはあなたですか?」

「いや、お前だよ」


ふたたび足をねらい屋内に走り込んだ。


「あくまでも逃げるつもりですか、あなたには呆れます」


二階に上がり校内隠していた武器を手に取った。

俺は一緒に隠していた手投げ爆弾をプールに向かって投げた。

しかし、行動を読まれていたのか爆弾の爆発と同時に崩壊していた場所に校庭の方から弾丸がきた。


「しゃーないあれを使うか、幸いあっちは動かないようだしね」


俺は屋上へ向かいある装置に手をつけた。

直上からならいくら腕のいい殺し屋でも、当てられまい。

目に見えない細さのオルコン製の針金は百五十M先にある遊具に掛かっている、すこし前に居るクリスに当てるには百M地点で落ちるしかない。

足を挫く位で済めばいいのだが、大丈夫だろうか。

早かったら届かない、遅ければこっちの危険な時間が増える。

覚悟を決めて装置に手を伸ばし使用した。

次の瞬間、銃を連射しながらワイヤーで滑りクリスへ一直線に進んだ。


「直上からなら私が当てられないとでも思っているのですか、呆れますね」


クリスは滑ってくる俺に向かい要所なく、一マガジン分の玉を撃った。

動かなくなった俺は遊具に激突した。


「日本の殺し屋はこの程度ですか、三流と戦う価値はなかったですね」

「三流はどっちかな、手応えを感じられないのはプロとアマチュアの差だ、俺は臆病者でね自分の庭でも保険は掛かけられるだけ掛けるのさ」


俺は背後を取り銃を構えた。


「チェックメイト、安心しろ特注品だ苦しまずに逝けるぜ」


バンッ、という銃声でクリスに弾丸が命中した、そしてクリスの身体が青い炎になりちり一つ残らず消えた、左腕以外を除いて。


「あいつ左腕は義手だったのか、しかも銃までついてやがる最悪の事態を考えて通常弾で撃たなくて良かった」


気がつくと日が暮れていた、相変わらず痛くて動かない左腕でクリスの義手を挟みアリスを待たせていた場所に戻った。

戻るとアリスは体育座りで顔を伏せていた。


「戻ったぞ、立て早く帰らないと俺が怒られる」


とにかくすずねさんがひたすら怖い。

立ち上がる事のないアリスの腕を掴み、無理やり引っ張った。


「これ、一応渡しておくお前の兄貴の片見だ」


クリスが付けていた義手をアリスに渡した、一緒に拳銃も。


「お前の最後の家族を殺したのは俺だ、仇討ち死体ならその銃で俺を撃っていいぞ」


それだけの覚悟は出来ている、それを伝える為の行動だった。


「撃たないわよ、あなたは一応私の命の恩人だもの」

「じゃあまずその死んだ魚みたいな目止めてくれないかな? 怖いんだけど」

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