第3話

村に着くと、村長の家に通された。

「おお、あなたが勇者さまとは…この年で勇者様と出会えるとは…長生きするものじゃのう。」

どうやら私は歓迎されているようだ。勇者というものも悪くないとおもった。

「して、そこのお方はどちら様でしょうか?」今度は僧侶の方を見ながらそう訪ねた。

僧侶は妙にいい声で「私は一介の僧侶です。名乗るほどのものではありませんが、『ラブ・チョイヤー』の名前で呼ばれております。」と何が言いたいのかわからない自己紹介をした。

すると、村長が目を見開き、「なに!まさか、あなたがあの『ラブ・チョイヤー』殿ですと!」私のときよりすごくくいついていた。

理解に苦しむ私を無視した僧侶は、村長とがっちり握手をして、

「清き純白のパンティーに…」

なにやら言い出した。

続けて村長が何故か無駄に若々しい声で

「染みはつかない!」と叫んだ。

私は理解者を求めるべく薬剤師さんの方を見た。薬剤師さんは目をハートにしながら、

「ラブ・チョイヤー様が私の下着を…」

と何やらいいだし、もじもじし始めた。

私が混乱しているなか、彼女は僧侶の前に行き、「先程の無礼をお許しください。」と深く頭を下げた。

僧侶はそんな彼女の目の前で左の拳を握り

『一輪の花よ!大きく芽吹け‼』

(マイソウル・ブレッシング‼)

なにやら呪文を唱えた。

彼が拳を開くと、花柄のシルクのパンツがあらわれた。

薬剤師はそれを見て泣き出した。

私はその光景を見て泣きたくなってきた。




つまるところ魔物は大きなコロニー(集団の巣)を形成しているらしく、それがこの川の上流にあるらしい。

一度下見をするということになったので宿を借りて今日はもう寝ることに。(僧侶が途中に薬剤師につれてかれそうになった。)

そして寝る前に、私は僧侶に問いかけた、

「ねぇ、『ラブ・チョイヤー』ってなんなの?」

女性ものの下着を頭に履いた僧侶はそれを聞くといたずらっぽく、

「ナイショ☆だぞっ☆」とウインクした。

気持ち悪かったので聖剣を投げた。(その後ちゃんと彼は自分の部屋に行きました。)





次の日村人数人(薬剤師含む)を引き連れて

川の上流に下見に。

村からおよそ一時間ほど歩いたところにそれはあった。

それは、巨体なやぐらだった。見る限り50は越える人形の魔物がひしめいている。

僧侶は魔物を見てしたなめずりをした。

気持ち悪かったので剣で背中をさした。

すると、見回りの魔物がこちらにきづいた。

数は3匹、突破できない数ではない。

私は聖剣をかまえた。瞬間的に身体を魔法で強化し左足で地面を蹴る、一気に間合いを詰めて右の脇の下から左の肩に向かって剣をふりあげる。さらに刃をかえし、もう一匹を斬り倒す。 だが一匹後ろに通してしまった。

私は思わず叫んだ。

「チョイヤー!」

村人の言葉がうつってしまったようだ。

『永久の貞操帯!』

(エターナル・チェリー!)

僧侶の呪文が空をきる。光る拘束具が魔物の体(主に股関のあたり)に絡み付く。

「「今だ!やれ!」」

村人の一糸乱れぬ合いの声。

振り抜いた聖剣が、動けぬ魔物に止めをさした。

そして私達は退却し、改めて明日やぐらを攻略することにした。

帰り道に僧侶が薬剤師に自分のパンツを握らせようとしていた。

剣を抜くのもめんどくさいので飛び蹴りをかましてみた。

家二軒ほど僧侶は、ふっとんでいった。












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