第2話

「見ろ、ブラジャーの木だ!」

僧侶はとうとう幻覚でも見たのではないだろうか。そう思って僧侶の見ている方に視線を向けると、大量のブラジャーが垂れ下がっている木が本当にはえていた。

私が唖然としていると僧侶は4メートル程垂直に飛び上がりブラジャーを4~5枚つかんできた。

体操の選手のようにピタッと着地すると彼は、両手に持っていたブラジャーの内側をおもっいっきりかぎはじめた。そして一言

「むっ、これは………17歳の女の子のブラだなぁ…………いただきます!」そう言ってから食べ始めた。

むしゃむしゃ下着を食べ始めた変態のうなじを切ってやろうと聖剣を振り上げたら、後ろから声がした。

「そこで、なにをなさっているのですか?」

私と同じくらいの年の少女がやってきた。

「見ての通りランチタイムだよ、お嬢さん。」僧侶が爽やかに下着を口からはみだしながら答えた。

それを聞いて彼女は怯えながら、「へっ、へんたいがいる。」そう呟きながら、ジリジリ後ずさりしはじめた。

「このバカがご迷惑をおかけしました。」

私は彼女の警戒心を解くべく、僧侶の背中に聖剣を突き刺して、彼女に謝った。

「ひっ、人殺し‼」

しまった、逆効果だったようだ。

「安心しろ、下着を食べた私は死なない。」

聖剣がぶっ刺さったままの僧侶がゾンビのようにゆらりと立ち上がる。

少女は口から泡を吐きながら失神した。





その後、彼女が目を覚ますのを待ちながら(僧侶は3枚ブラジャーを食べた。)私は言い訳を考えていた。

しばらくすると少女は目を覚ました。少女はおきてすぐに僧侶の顔を見ると震え上がった。私は警戒を解くべく自分たちの説明わしようとした、「さきほどは、ごめんなさい。私たちは…」「お嬢さんあなたの下着、ごちそうさまでした。」僧侶が割り込んではいってきた。

怯える小動物みたいな顔になった少女を守るため聖剣の鍔で僧侶を殴り倒す。僧侶が沈黙したのを確認してから、私は自分たちのことについて説明した。

「そういうことだったのですか、あなたは勇者様だったのですね。」少女は顔を明るくしながら喜んだ。

彼女の話を聞くと彼女は薬の調合師のようで、この近くの村に住んでいるようだ。ここの木には洗濯ものを干すための施設があり、そこに洗濯物を干していたのだと言う。

「しかし、なぜこんなところに洗濯物を?」

すると、彼女は何かに怯えるようにこう語った。

「じつは、数年ほど前から村のちかくに奇妙な魔物が出現するようになりました。」

私はその話を詳しくきいた。

何でもその魔物は布ばかり盗むというよく分からない魔物なのだそうだ。その魔物は高いところには上れないのでこのような木の上に洗濯物を干すようになったらしい。

「勇者さま、ここであなたに出会えたのも何かの縁です。もしよろしければ、魔物を討伐してください。」

「わかりました、とりあえず村に案内してください。」

私はそう言ってから、僧侶にも意見を聞こうと、合図しようとした。

僧侶はブラジャーを頭に被ってなにやらおどっていた。

私は問答無用で聖剣をふりおろした。








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アンダー・グラウンド シリカゲル @7110

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