第4話 プレーヤーだけをほめまくる機械。
基本、RPGっていうのは世界そのものからNPC一体一体に至るまでプレーヤーを「褒めて褒めて褒めまくる」ためだけに作られたものです。
主人公=プレーヤーのみが世界を救えるというのもそうですし、基本主人公を嫌う人は出てきません。プレーヤーをひたすら褒めるのが目的なのでそういうキャラはRPGの存在意義に反します。とにかくプレーヤーをヨイショしてくれます。
その意味ではある意味RPGはキャバクラの姉ちゃんやホストクラブの兄ちゃんと同じようなものなんでしょう。(かなりの暴論になりますが)
生身の人間は褒めるという行為は大変な労力がかかりますし、機嫌を損なっている時には普段は褒めることが出来ても「うるさい! 黙って!」と怒ることだってしょっちゅうでしょう。だからキャバ嬢やホステス、ホストというお客をもてなすプロが商売として成立するのです。
ゲームというのはいつでもどこでも同じように褒めてくれますし機嫌を損ねることもありません。そして親なんかとは比較にならない程濃密な濃度で褒めて褒めて褒めまくってくれるため、ゲームの中の世界が現実世界よりも居心地がいい。と思う人さえいるかもしれません。
いわゆるなろう系小説、あるいはテンプレと表記される小説には主人公が気持ちよくなる要素しかありません。主人公が苦しんだり悩んだりピンチになるシーンはびっくりするほど出てきませんし、出てきても大抵チートで無双したり、物によっては文字通り「バグ技」で解決します。
アクションゲームを下地にした小説が出てこないのも「誰でも気持ちよくなれない」と考えれば納得が付きます。アクションゲームは基本的にプレーヤーの腕前が直に反映されるゲームですので下手な人はダメ出しされて気持ちよくなれません。バグやチートを使っても自分は下手クソなままなので爽快感も大して湧きません。
その点RPGでは時間さえかければ誰でも最強になれるという下地があって、なおかつその時間を省略できるチートがあるから真面目に頑張ってる奴を出し抜く爽快感があり、気持ちよくなれるのです。表だって言うことは絶対にありませんが、人間ズルして出し抜くのは大好きですからね。
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