第3話 おじさんの苗字は「瀧本」。より詳しい人は「連コメのタッさん」のあだ名で有名であり(以下略)
いわゆるなろう系小説を見てると「何でどいつもこいつもクローン人間のように同じような設定の物語ばっかり作るんだ?」と疑問に思うでしょう。ですがこれは「お作法とかお約束の説明が省略出来る」と説明すれば納得がいくものです。ある意味一種の「内輪受け」です。
ちなみにタイトルは「内輪受け」の説明で使われるテンプレです。
格闘ゲームやシューティングゲーム、RPGにおいては「そういうものだ」とでもいうべき暗黙の了解、いわば「お約束」と呼べるものがあってそれを理解していればジャンルが同じなら初めて触るゲームでもそれなりに楽しめます。逆に言えばこのお作法を知らないとまともに楽しめるどころかキャラの移動すらままなりません。
例えばRPGでは「主人公はゲームの世界におけるプレーヤーの分身なんだけど、世界をたった一人で救えるほど強い特別な人間でもあるんだ」という暗黙の了解ないしはお約束を知らない一般人は何も分からないフィールドに出ただけで硬直します。見知らぬ土地は怖いものですからね。しかも、ただでさえ怖いのに魔物という自分を攻撃してくる敵がいるのであれば襲われる恐怖で怖くて怖くて何もできなくなります。
というかゲームを始められるならまだいい方で、お約束を知らない人はタイトル画面が表示されても何もせずに「待ってるのになんにも始まらないんだけど?」と言い出したりします。「タイトル画面でボタンを押す」という発想すらありません。
他にもタイトル画面の「Push Any Key(どれでもいいからボタンを押してください。という意味)」を見ても「英語で何か表示されてるけど読めないから何をすればいいのか分からない」となりますし、理解できても「『Any』っていうキーなんてどこにも無いんだけど?」となります。しびれを切らして「何でもいいからボタンを押せ!」って言うと電源ボタンを押して「ゲーム機が止まっちゃったんだけど?」となります。
スマホゲームだと「画面をタップしてスタート」って書いてあったら「タップって言う専門用語が分からないからやめておこう」となります。
それを超えたとしても今度は「俺なんもやってないのに『せーぶでーた』とかいうものが勝手に作られたんだけど?」とか、「パーティを『組む』って何? パーティって『開く』ものでしょ?」とか、「素材って何? 強化って何? スキルって何?」とか、ステージクリアー画面を見て「リザルトって誰だよ」等と真顔で言いだします。お約束を知ってる側からすれば「そんな簡単なこともわからないか!? 常識だろ!?」と驚きと怒りが込み上げてくるでしょう。
こんな感じで「そういうものだ」という暗黙の了解を「何も知らない」人に1から10まで教え込むのは大変苦労するのです。ですのでその説明を省略できるドラクエや初期のファイナルファンタジー「のような」世界というのは大変重宝するのです。他にも何故いきなり最強なのか? というのも「チート」このたった3文字で説明出来てしまうので、作る側、読む側、両方ともお約束を理解しているというのはお互いにとって非常に楽なんです。
他にも、何であんなにも似たような設定の小説ばかりなのか? という理由の一つに「仕事で疲れたおっさんが見てるから」というのもありそうです。設定を共有化することで「説明を理解する」という脳の負荷をかけずに済むっていうのもありそうです。パチンコやガチャのように脳が疲れないんです。
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