第397話しぶとさ
労働裁判の相手方の調書と証拠を見ますが、いつもの気分悪さに襲われます。
これを見るたびにブラック企業の悪辣さとそれを手伝う弁護士に疑問を抱きます。
今回の準備書面は今迄の繰り返しですが、証拠がどうも納得できません。
どうも書面に証拠が対応していないのです。
でもこれ以上見ると気分を悪くするので透析に出かけます。
3時に東京からNPOの前の会社の事務長の同期が訪問してくれます。
すでに編集長とフリーペーパーの打ち合わせが済んでいます。
「わざわざすいませんね。こちらは経費がないもので」
「いや理事長が一度飲みたいと言っていたよ」
東京の理事長は元前の会社の上司の常務です。
「ところで本論は?」
事務長が企画書をテーブルに載せます。
「半農半xの教室は1教室の実験が終わりOKが採れたよ。昔ながら君はしぶといな」
そうです。この会社も中途採用の外人部隊でしぶとさだけで生きてきました。
「取敢えず7月~9月で東京を中心に10教室を開講する。フリーペーパーは更に5万部の追加だよ」
編集長の目が輝きます。
「今日は交換条件もあるんだよな?」
「こちらの教室もそちらで開講してほしいんだ。9月開講で3教室から」
夜久しぶりに編集長も交えて3人で夕食で思い出に花が咲きました。
あの頃は本当によく働きました。
今日だけは労働裁判を忘れたいです。
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