第398話ねつ造!?

今日は朝から新人男性社員を連れて行政に最終面接です。

9時半に大川沿いを歩いて市役所の玄関で合流です。 

1時間廊下で待たされて部屋に入ります。

「NPOの再生教室でしたね?経理実務についてカラキュラムのテキストのレベルを1段上げてほしいですね」

助成金申請は組み合わせが制度との絡みがあります。

ここは素直に受けないとダメです。

「それと成功しているNPOの人の体験講演を3セット入れてください」

新人はひたすらメモメモです。

「それと課長からもう少し価格を上げたらと言う指摘がありますよ」

「それではNPOの負担が増えますが?」

「7割助成で通りましたよ」

戻ると理事長が首を長くして待っています。

一通り説明するとうんうん頷いて、

「課長は見返りを用意してくれていたんやな」

「多少の修正はありますが、予定通り7月20日から2回増やして12回で開講しますよ」

「予約は52名入っています。正式に契約決定を通知します」

パソコンのリストを見て担当の新人が準備に入っています。

「今いいですか?」

労働裁判の弁護士から携帯です。

「あの証拠年度が1年間違っていたのですよ。どちらもあなたがその会社に転籍していないときのものになりますよ」

「それじゃあ、ねつ造!?」

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