第381話最終準備書面
今日は朝からNPOの定例理事会です。
2人の退任と3人の新任が決まります。
私は朝から詰めていて弁護士から送られてきた最終準備書面をパソコンで見ています。
何と相手の弁護士は争点整理案お構いなしで今までの主張の羅列です。
「一度事務所に来て打合せしましょう?あまりに相手に矛盾が多いので整理が必要です。こちらは争点整理案に出てくる部分に絞って準備書面をまとめています」
「まったく食い違いが多すぎますが?」
「いえ、毎回証拠と反論を繰り返してきたので相手の最終準備書面は9分9厘裁判官には解答済みです」
「尋問は8月ですか?」
何と2年半です!
狭い編集室にいつの間にか新理事がファイルを手に入ってきて座っています。
編集長と部員2人は別室で新部員の第1次面接です。
6人から2人を選ぶことになります。
「ここだけの話だが理事会には編集室の独立を前提にNPOの資金繰りを説明したよ」
「得意の作戦ですか?」
「それで新給与案の承諾を取った」
「労働問題は?」
「天下り先の行政とも話をしてきた。やも得ないということだ」
やることが早い。
案に目を通します。
若い人の給与はほとんど変わっていませんが、天下りの幹部を中心に半分の減額という厳しい案です」
「私と事務長で今度は個別に面談していきますよ」
彼は一時人事部長をしていたので手際がいいのです。
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