第377話仕訳

「無理したら駄目よ!」

頭のたんこぶがようやく腫れが固まってきたようです。

「今頑張らないと行くところがなくなる」

私の座る席を守るという切実さがあります。

今日は編集長と銀行から来れれた年配の経理課長と編集室を経理的に切り離す作業です。

「課長は今回の騒動どう思います?」

編集長が尋ねます。

「私は定年後の一般採用ですから非常に安い賃金ですが、これは年金との関係でやも得ないと思っています。でも天下りの人は問題だと思います。でも睨まれますから。今回は若い人や中途採用の人は大賛成してますよ。でも私の部長も天下りですから何にもしないのにこの作業をするなと言っています。でも理事長の指示ですからね」

「売り上げと固定費などの仕訳は簡単ですが、創業費の清算は難しいですね?」

私が作った創業費の試算を見せます。

「これで行くと創業費は2000万ですが、ここ半年で1500万は返済したことになります」

「それは問題ありません。来月で完済になるようです」

「その他のNPOはどういう会計になってるのですか?」

編集長が経理課長のノートを覗きます。

「1億6千万も赤字!」

「そうです。累積の借り入れでもっているのですよ」

「理事長はこの姿を見て貰おうとしていると思いますね。今手を打たないと。昼からは提携しているベンチャー誌を訪問しますよ」

「何を相談するのですか?」

「現在のシニアNPOの状態の説明をします。これが提携企業先に対する礼儀です」

私はこの機会に編集長に経営感覚を学んでほしいのです。

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