第378話瓢箪から駒
「いろいろ大変ですね」
ベンチャー誌の関西版編集長が担当者と迎えてくれます。
「迷惑かけます」
編集長が頭を下げます。
私も彼女もOBになるので気安く付き合せてもらっています。
「今回から全国版との提携ですので部長と話しましたが、もし資金的なことがあったら相談してくれとのことです」
「資金的には全く問題ないのですが、NPOからの独立も視野に入れています」
今のところベンチャー誌にこちらの特定の記事を掲載しています。
「来月号よりあの葡萄園就農シリーズを1年掲載しようと決まりました」
「もう1度再編集します」
編集長の顔が輝いています。
葡萄園就農シリーズはビデオも情報も5倍ほどあり彼女の一押しの作品です。
「東京の編集長はできたら農業実習時代から始めてもらいたいと言ってるんですよ」
私は彼とは同じ教室で半年授業を受けてきました。
「東京に半農半xの教室を進出させる気はありませんか?」
「なかなか拠点になるようなところが見つからないのです」
「ここはどうですか?」
東京では有名なNPOです。
「ここの理事長は室長の先輩になるんですよ」
雑誌のプロフィールを見ると当時の常務でした。
「部長から連絡しておきますよ」
帰りがけ編集長の誘いでバルでワインを飲みます。
「瓢箪から駒ですね」
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