第326話パートナー

透析しているとそれが生活の軸になります。

たとえば私の場合、月・水・金は出来るだけ出かける約束をしません。

とくに最近は急激な血圧低下が透析の後起こるので外に出るのが怖いのです。

「すいません。無理やり時間を作ってもらって」

駅の近くの喫茶店で一人IT社長が鞄を抱えて座っています。

私の顔を見ると鞄からノートパソコンを開いて見せます。

「この前に相談した和菓子屋のアドバイス頂いた提案が通り、見て下さい!」

「凄いアクセスだ」

「新製品の袋にアンケートをバーコードから採って併設の喫茶店の券を付けてみたのです」

これは昔同様な商品展開をしたことを彼に話したのです。

「会社から特別ボーナスをもらい、毎回の新製品の契約を交わすことになりました」

「それはよかった」

「でも今後一人で続けて行く自信がありません。パートナーになってもらえませんか?」

「それはありがたいが、社員のようにはいかないよ」

「一緒にいてもらえるだけで心強いのです。まず最初の仕事は相手の社長と今後の打ち合わせです」

「月・水・金を外してくださいよ」

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