第313話透析治療後の寿命
今日は隣のおなじみさんに医院長が張り付いています。
透析をしていると両左右のベットの人が気になります。
「シャント音が“キュン キュン”などと断続的で高い音で、スリルも弱いあるいは触れない場合には、シャント狭窄が疑われるので、早急に透析施設に連絡する必要があります。血液の流れを良くする薬を使用したり、狭窄した血管をカテーテル治療で拡張させる治療(PTA)を行います」
「どうすれば?」
「取敢えずシャント手術をしてもらったクリニックに手紙を書いておきます」
この人は60歳くらいで自営の仕事もしておられて元気そうです。
「55歳の時に総合病院で透析手術をしたんやが、透析して10年で寿命ということを聞いたのだが?」
この話は私も聞いたことがあり心配しています。
「透析という形で身体浄化を短い時間で行うため心臓や血管に負担が掛かり、寿命を縮めてしまうのです。平均的な透析治療後の寿命は、1年経過では88%ほどで急激に生存率が下がることはありません。しかし5年経過だと約60%と半減してしまい、10年経過では35%まで低下してしまいます」
この寿命の中で残された人生をいかに過ごすかまだ手探りの状態です。
担当の看護婦が声をかけます。
「今日も歩いてシニアNPOに行かれるのですか?」
「ええ、まだボランティアみたいなものですよ」
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