第269話新規事業の開始

透析の針の痛さはなかなか慣れないような気がします。

これを一生続けて行くのが実感がわきません。

今日は先輩のシニアNPOに帰りに寄るようになっています。

「いやあ、あの事務長は子供のような人だな。どうも従来のパソコン教室が助成金の縮小で教室が半分になった、それは分かる。こちらも同じ状況だからな。だから今後どうするかそれがNPOの運営のポイントだ。それなのに君の提案を検討もせず古い形に乗っかってきたのがあんたの責任だと言ったが分かってないんだな」

呆れた顔でテーブルに半農半xのフランチャイズのファイルを並べます。

今日は農業実習の校長と経理の講師も参加しています。

「それぞれが指定してくれた教材は問題ないと思う。とくに半農半xの柱になるノートは印刷に回そうと思っている」

「採算はどうですか?」

私がワードで作った30ページのレジメです。

「いや今回講義をしてみて使ったホームページの映像も許可を採ったものは印刷することにした。ページは55ページと増えたが教科書の販売が500部で回収するので今後の収入源となる」

「でフランチャイズの方は?」

「京都で合意したのでまず1教室年始からオープンできるよ。経理は彼女が行くこと、農業は校長にお願いしました」

「今後はそうはいかないと思いますが?」

「それはその通りです。それぞれの講師を育てるシステムを考えないとダメだな。それはお願いしたいんだ?」

「分かりました。でも講師は難しいと思います」

理事長は無言で了解しています。

この歳になってまだ新規事業ができるのは幸せです。

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