第264話和解の兆候

今日は透析が急に昼からに変更になって病院の屋上から大阪城を眺めています。

いつの間にか桜の葉が紅葉しています。

昨日の着信と留守電を調べます。

着信2件は相変わらず部長です。

どうも今はかけたくない相手です。

「先生留守電を貰っていましたが?」

「今日こちらに出て来れますか?」

刑事訴訟を担当している弁護士です。

「10日ほど大阪にはいません。急ぐ用事ですか?」

弁護士にも透析のことは内緒にしています。

「そうですか」

「例の保険金詐欺疑惑で社長が警察に呼ばれました。今回は起訴するようです。それで例の工事課長の証言を否定する部下の女性の証言が欲しいのです。不動産部長では連絡が取れないのです」

部長の着信はそのことのようでした。

「実は私も連絡が取れません。それよりもK火災の方はどうなのですかそれが心配ですが?」

「それがK火災の民事訴訟で裁判官から和解調停があったようなのです。どうもK火災の営業部長と社長が会社で話をしたそうです。これは不動産部長の情報です」

どうも和解の流れになっているようです。

私としてはここ一番でなければ彼女に証言を頼む気はありません。

とにかく裁判に巻き込まれると大変です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る