第223話埋蔵財産
いつものように大川沿いを歯を食いしばって淀屋橋経由で歩きます。
歩くことで足に溜まった水が回流をして、合わせて基礎体力を維持しています。
今日は午前中に部長が商談中のスポーツ用品の大手の課長と同席で会いました。
新製品のシニア用のシューズの試着でアンケートを出すという新事業です。
それで部長はシニアNPOの卒業生のリストを整理しています。
「これは面白いですね。卒業生は何人くらいおられるのですか?」
「5万人はいますよ」
「これは埋蔵財産ですね」
「埋蔵財産か、面白いことを言うね」
「ただどうして募集をするかなんだ。この年代の人はパソコンや携帯のメールをほとんど日常的に使わない」
「これはアナログで手紙ですね。まず30人だから100人ほど選んで手紙を送りましょう。一人当たり1万円の報酬料が出るのですね。当面課長は300人ほどのアンケートが必要だと言ってましたね。昔会社でアンケートの仕事もしていたのでこれはシニアNPOの事業になるかも」
「手紙は事務局で応援してくれる人たちがいます」
久しぶりにわくわくしています。
机に戻ると、携帯に不動産事業部の彼女から留守電が入っています。
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