第224話つきまとい
今日は帰りがけに自宅の駅の近くの喫茶店で元不動産事業部の彼女と会います。
「久しぶりですね。新しい不動産会社は慣れましたか?」
「営業マンが2人しかいませんし、私は管理している5棟のマンションの管理ですから楽なものです。給料は安いですが」
「ところで相談とは?」
「あの工事部の課長が新しいマンションを見つけてドアに張り紙を続けているのです」
「つきまといと言うやつですね?」
「娘が嫌がって、家を出ていくと言ってるのです」
「娘さんは?」
「来年高校を卒業します。就職も決まっています。私って男運が悪いのです。19歳でできちゃった婚で結婚したのですが、相手は博打にのめり込み1000万の借金をして別れました。実は会社の履歴書には書いていないのですが、30歳の頃同棲を3年ほどしていた男がいました。でも会社の上司の彼は所帯持ちだったのです。結局奥さんが殴り込んできて会社も自宅も替わりました」
「そんなこと話してもいいんですか?」
「なんだか専務は安心できるのです」
「裁判も警察もあてにはなりませんよ」
最近裁判にも警察にも愛想を尽かせています。
「思い切って少し離れたところに引っ越ししては?」
「私もそれで会社ですでに娘の内定している会社の近くを探して候補を見つけています」
「引越し屋と管理人に転居先を伏せるように。住民票は探偵事務所では開示できないのでまず安心です」
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