第204話希望の光

ここ10日間かけて職場の労働問題というテーマで会社資料を参考に提案書を前会社の人事部長に送りました。

それで今日は夕食を食べながら人事部長と打ち合わせです。

「面白い提案でした。それで本社の相談役にも送りましたよ」

「相談役?」

「おられたときは副社長で同期だと言っておられましたよ。辞められてからしばらく社長に就任されて、今は相談役として社長のお目付け役です」

覚えています。あちらはヘッドハンティングで最初から副社長で、私は平からの出発でした。

それが本社で経営会議で5年後に同席しました。

「昔は労基から調査に入られることは度々ありましたが、ここ数年のように労働裁判が勃発していてかなり重い問題になっているのです。一応相談役から労働裁判の事例を出すことを許可されましたので、守秘義務契約を出してください」

人事部長がUSBをテーブルに置きます。

「不当解雇というのはないのですね?」

「一番の課題は過労死なのですよ。社員が亡くなって親族との裁判です。それと昔からのパワハラです。今は若い社長に替わり労働問題が置き去りになっているのです。おられた頃とずいぶん変わりましたよ」

でも現場とまた触れられるのは楽しみです。

「それと近々に相談役が大阪に来ます。日程が決まれば二人で食事をしたいということです」

彼女も65歳を超えられらだろうと思います。

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