第178話血判書!?

ここ数日足の吊は続いています。

それで寝る前に内科で処方された痛み止めと睡眠薬を飲んでいます。

今日は職業訓練後労働裁判の弁護士と会います。

数日前に刑事事件担当の弁護士から従来の弁護士に代わっていよいよ顧問弁護士が登場してきたという報告を受けています。

「こちらも顧問弁護士に代わりましたか?」

「いえ、あの弁護士のままです。一般裁判の準備書面が出てきましたが、大半は労働審判と同じものですが、少し気になる文章が2点あります」

準備書面を広げて赤線を引きます。

「一つは不正なお金の使い込みの事実を見つけたとあります。80万という数字が出ています。証拠はまだ提出されていません」

私は弁護士のノートパソコンにUSBを差し込んで、80万の本社報告議事録を見せます。

「これはホテルの会社のグループ人材派遣会社なのですが、ペーパーカンパニーで派遣免許もありませんでした。それで本社にその報告をしてホテルの社長の了解を取って会社を設立しました。その登記費用と以後の派遣免許費用です。だが40万はそのまま残っています。懲戒解雇になりましたから。登記費用の領収書はメールで送ります」

「そうでしたか分かりました。もう一つはホテルの幹部を集めて会社の乗っ取りの血判書を交わしたとありますが?」

「それは幹部会議の盗聴テープの後にこれから団結して会社を盛り立てよう!と交わしたものなのです」

「現物はありますか?」

「それが現物も見ていませんし、どこにあるかもわかりません」

「それが被告にあるということは?」

「それはないと思います」

「不安材料ですね」

確かにぽっかり記憶から消えています。

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