第177話刑事訴訟の終わり

夜中に20分にも及ぶけいれんが起こり、それが太ももから足首にまで広がって何度も繰り返します。

「我慢できなければ救急車呼ぼうか?」

と女房が言いながら足をさすってくれます。

代謝性老廃物が血液中に蓄積していくと、筋肉や神経が損傷を受けるため、筋肉のひきつり、筋力低下、けいれん、痛みなどが起こります。腕や足にチクチクするような感覚が生じたり、特定の部分の感覚がなくなったりするとネットで読んだことがあります。

今まではさすっていると治まっていたのですが、今回は筋肉自体が元に戻りません。

朝一番病院に予約を入れてパートに出かける女房にタクシーを呼んでもらいました。

「クレアチニンは6.89と微妙な数値ですが、尿酸値が8.50と高く、BUN(尿素窒素)が98.90になっています。これは腎不全の兆候です。そろそろ透析の時期が来ていますね」

そう主治医に言われて足を引きずりながら薬をソファーに座って待ちます。

携帯のバイブレーターが鳴ります。

「残念ですが、社長の指示までは行きませんでした。不動産部長がすべてを引被りました。そこまでする関係があるのですか?」

「社長に大きな借り入れがあるようです。でどうなったのですか?」

「全員罰金刑になったようです。この刑事訴訟はこれまでです」

弁護士の携帯が切れてすぐに相棒の部長から携帯が入りました。

「会社からの車で凱旋軍のように会社に不動産部長達が戻ってきたようです。罰金も全額会社から出たようです」

これで不動産部長は功労者になったようです。

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