遂に失業保険が切れました。

不当解雇の弁護士からまた同じような準備書面がメールで送られてきます。

無駄な時間ばかり過ぎてゆくようで落ち着きません。

今日も何度も相棒の部長から着信がありますが、彼と話し合うのにも今日は疲れています。

この着信は例の不動産事業部の女性です。

「たびたびすいません。今朝不動産部長他9名がホテルに乱入しました。バールや鋸まで持っての乱入でホテルの従業員とも揉みあいになったようです」

「それを誰から聞きました?」

「部長が近くにいて知らせてきたのです。そちらに電話を繋げてほしいと」

部長は私にかからなかったので彼女から伝えてきたようです。

「後ろに総務課長もいたようですが逃げたようです。後はよろしく頼みます」

頼むと言われてももう私には関係のないことです。

それでもホテルの社長に連絡を入れました。

「馬鹿な奴らですよ。弁護士から言われてうちの専務が警察に通報しましたよ。全員現行犯逮捕されたようです」

「さすがに2度目ですからね」

「でもこれで大半のホテルは本社側になびくでしょうね。ホテルの支配人が本社の総務部に一人ずつ呼ばれているようです。本社に従わないと全員解雇だと言われています。支払いを止められた取引先も本社に呼ばれているようです」

「でも社長は入院したと聞きましたが?」

「運送の従兄弟の社長を担ぎ上げて総務課長が指示をしているという噂です」

どうも社長は次は総務課長を使うつもりです。

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