第175話裏舞台

翌日の新聞に彼らのホテル殴り込みの記事が出ました。

ネットで見ると、不動産部長の名前が公表されていてこの時初めて本名を知りました。

教室に向かう道すがら刑事訴訟の弁護士に連絡を入れました。

「言われてたように2度目も起こりましたね」

「これによって大きく変わることはありますか?」

「それは私達も注視しています。とくにこの中に暴力事件を過去に起こしている人間が入っているようです。それで警察は慎重に事情聴衆をしているようです。その男を知っていますか?」

「いえ」

「ホテルで不払いを受けた取引先と名乗っているようです。ホテルの社長に聞くと水道メーターの会社にいたと言ってます」

「それは私の時代に不正なメーター処理をしているので契約を破棄しました」

「問題は彼らを指示したのが社長かどうかです」

携帯を切ってすぐに相棒の部長に連絡を入れました。

「彼女から聞いてくれました?」

「ああ、あの水道屋の関係者が居たそうだが?」

「どうも支払いを止められて本社に駆け込んだそうです。不動産部長が言うには総務課長が彼に今回の殴り込みを仕掛けたそうです。部長が言うには社長から300万を受け取って支払ったようです。これは彼女の話ですが、総務課長はバックを取っているらしいですわ」

「会社の金はびた一文も社長の了解なしには出ないはずだなあ」

「もちろんです」

相変わらず総務課長が裏で糸を引いているようです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る