第135話取り調べ
「取り調べが終わったら携帯をください」
ホテルの社長からの留守電が入っていました。
1時に戻ると、隣の個室に綱に繋がれた若い女性が入ります。
「あれは薬の常習犯ですよ。少し時間はいいですか。でないと明日も来ていただきことになりますが」
優しそうに言っていますが、強制に聞こえます。
「専務として訴状の対応をしましたか?」
「はい。顧問弁護士を呼んで対応を検討しました」
名刺入れから弁護士の名刺を出します。刑事はコピーに走ります。
「本社にどういうふうに報告しましたか?」
「本社の幹部会議に出て説明しました」
「そこには?」
「本社の社長と息子、後は課長以上の幹部です」
「ホテルの社長は入ってなかった?」
「はい。本社の社員でないので。こちらからは部長は参加しました」
「臨時株主総会についてはどういう報告を?」
「調べた範囲と弁護士の意見で臨時株主総会は開かれず、息子とこちらの社員が作ったという事実を話しました」
結局、間に2度トイレに行き、6時まで7時間缶詰めでした。
最後には刑事が読み上げし、訂正を入れて署名と印鑑を押しました。
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