第134話知能犯刑事

思わぬ事件に巻き込まれたように女房は心配しています。

Y署は社長室があるホテルの管轄です。

今日は万が一を考えて尿漏れパンツを履いていくことにしました。

駅から飲み屋街を抜けてそのY署があります。

「知能犯の○○さんおられますか?」

交通課の女性が内線で呼び出して、

「4階まで上がってくれれば迎えに出るということです」

と伝えられて慌ただしく登り降りする階段を上がります。

以外に制服の署員は少なくジャージ姿に運動靴が多いです。

年配の痩せ形の背広の刑事が刑事部屋の奥にある個室に案内します。

淡々と前に会社の経歴を聞きながら、カタカタとネットにつながっていないノートパソコンに打ち込みます。

「本社からホテルの会社に出向したということですね?ホテルの社長は?」

「彼と本社の社長が本件で訴えられています。ご存知でしたか?」

「民事訴訟が起こった辺りで解雇されています」

刑事は手持ちの文章を見ながら頷いています。

「ホテルの社長も?」

「ええ、別の署ですがねえ。昼ご飯を食べて1時にここに戻ってください」

やはり3時間では済まないようです。

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