第113話不穏な動き

今日はつま先が引きつりました。

これは腎不全の症状の一つです。

今日も車で会社まで送ってもらいます。

部長が妙に沈んでいるように見えます。

「本社で何かあったの?」

「いえ、新賃貸契約を総務課長から貰ったのです」

机の上に各会社ごと並べられています。

「社長にあった?」

「呼ばれなかったので会っていません」

「それならいやに長い?」

「不動産部長に応接室に呼ばれたんです」

何か言いにくそうです。

「ここだけの話にしてください。どうも本社の幹部でよからん動きになっているようです。専務の定年退職後の新専務に不動産事業部長を押すことになったようです」

「それは約束だよ」

「ではないのです。総務課長が条件を付けて賛成に回ったのです。条件とは総務部長の解任なのです」

そう総務部長の兼務をしているので私を指しています。

「私は関わりたくないと部屋を出ましたが、部長の隣の席に髭の専務が座ってにこやかに挨拶をしてきました。どうも金を握らされたと思います」

相変わらずの会社だと呆れます。

「もし降ろされたら、後は君がやるんだよ」

まだ訴訟の方向性が社長から回答がありません。

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